第2話
翌朝、俺はまだ昨日のモニュメントのことが気になっていた。あの青白いバリアがなければ、確実にあの獣にやられていた。サバイバルのためには、これをもっと活用する必要がありそうだ。
「まずは、モニュメントの周りを調べてみよう……。」
俺は昨日見つけた場所に戻り、モニュメントをじっくり観察することにした。奇妙な文字や紋様が彫り込まれているが、それが何を意味しているのかはさっぱりわからない。しかし、どこかにこの力を使うためのヒントが隠されているはずだ。
モニュメントの表面を撫でていると、ふいに手のひらに何かが感じられた。まるでその石が微かに脈打つような感覚だ。
「……反応してる?」
俺はもっと強く押してみた。その瞬間、モニュメントが再び光り始め、足元に何かが浮かび上がった。まるで魔法陣のような模様が地面に広がっていく。
「なんだこれ……?」
すると、頭の中に言葉が直接響いた。
「快適性向上モード、発動」
「えっ? 快適性向上? なんだそれ?」
俺は驚いて周りを見回したが、特に変わったことはない。モニュメントは静かに輝きを放っているが、何かが起こる気配はない。ただ、頭の中には先ほどの言葉が残っている。
「とりあえず、何か起きるか試してみるか……。」
俺は、まずシェルターを拠点に戻り、少し作業を進めることにした。壁を補強し、周りの枝を集めて火を絶やさないようにする。それにしても、作業が妙にスムーズに進んでいる。
「ん? なんか作業が楽だな……?」
いつもなら木を運んだりするのに結構な力が必要なのに、今日は何故か軽々とこなせる。まるで自分が力を付けたような感覚だ。
「これが……『快適性向上』ってことか?」
なるほど、このモニュメントの力は、サバイバル生活をより快適にするためのものらしい。強くなるためのものではないけれど、作業効率を上げたり、疲労を感じにくくしたりと、生活が格段に楽になっている。
「悪くない、むしろかなりいいかも!」
次に試してみたのは、食料の確保だ。川に設置したV字の石堤防に魚が集まっている。小さな魚が何匹か捕まえられそうだったので、さっそく手で掴もうとするが、意外と素早く逃げられてしまう。
「うーん、網とかがあれば……いや、罠を作るべきか。」
その時、俺の頭の中にふと「罠の設置方法」のイメージが流れ込んできた。これまでにネットで見たことのないような、まるで魔法的なトラップのような発想だった。
「これ、試してみるか。」
すぐに森から集めたツルと枝を使って、イメージ通りの罠を作ってみる。これがうまくいけば、今後の食料問題も少しは楽になるかもしれない。
数時間後、罠を仕掛けた川に戻ってみると、驚いたことに数匹の魚が見事に捕まっていた。
「よっしゃ!これで食料問題は少し解決だな!」
今までよりも快適に生活できるようになった俺は、気分も上々だ。この調子で、この島でのサバイバルをさらに快適にしていけるかもしれない。
その日の夜、焚き火を囲みながら、俺は今後の計画を練っていた。今はまだ島の全貌を把握していないが、探索を続けていけば、もっとこの島の秘密がわかるだろう。モニュメントの力をうまく使って、この生活をさらに充実させるのが目標だ。
「とりあえず、次はもっとしっかりしたシェルターを作ろう。あと、道具ももう少し増やしていけたら楽になるはずだ。」
快適な生活を追求する俺のサバイバルは、まだ始まったばかりだ。
転移したら孤島の中でした。生き延びるために、まずは快適さを追求します。 @keiko456
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