期待されていることと、書きたいことと、その”間”

いちまる

書き始めたのは深夜1時

「この人、毎回同じテーマなのにめちゃくちゃ人気だな」


 ぼんやりと口からこぼれた言葉で、僕は自分と向き合ってみようと思いました。

 こんなカッコイイ始め方ですが、中身はちょっとした嫉妬と好奇心です。




 ある作家がいます。

 その人はどんな作品を書いても「異世界追放」「ハーレム」「ざまぁ」があって――というかストーリーの展開はほぼ同じです。

 新作と言いつつ、同じようなものを出していいのか?

 読者はすっかり飽きたんじゃないか?

 僕はそう思っていたんですが、ふたを開けてみると、読者はまったく新しい物語に触れるように楽しんでいるのです(いやまあ、実際新作だから当然ですけど)。

 一芸特化、とでも言うべきでしょうか。

 とにかくその人は、ランキング上位の常連です。

 ぶっちゃけると、僕もとても尊敬しています。

 ふつーにできるもんじゃないですよ。


 一方で、僕はどうだろうかと見つめなおしてみました。

 あれやこれやとジャンルを模索。

 その時の流行りに乗っかろうとして失敗。

 結局行き詰まり、俺たちの戦いはこれからだ。

 自分の書きたいものはどこにあるんだろうと、いつでもうろうろ迷っています。


 逆に、読者が楽しみにしているものは何だろうとも考えます。

 皆が期待しているものを出せているかな?

 がっかりさせていないかな?

 どちらも満たせていないような気がして、不安に襲われる時もあります。

 きっと、書きたいものと読みたいものがちょうど合致したところに、人気の出る作品があるんだろうなあ。

 分かっていても、どうにもならないもどかしさ、ってなもんです。


 何を求められているんだろう?

 何を書きたいんだろう?

 作品を出しながら、作品を出す前の悩みに付きまとわれている――おかしな矛盾の中で、僕は今日も日課の執筆を止めません。

 というか、止められません。

 生活の一部になっちゃってますので。


 誰からも、一度だって聞いたことのない「僕に求めているもの」。

 自分で見つけ出すのが先か、誰かに教えてもらうのが先か。

 あと何年続くか分からない創作人生で、知りたいと思う数少ない事柄です。




 オチ?

 ないですよそんなの。

 ここは僕の日記帳ですから。

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期待されていることと、書きたいことと、その”間” いちまる @ichimaru2622

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