第3話 結晶の中の少女

透明な結晶、、、ピシッ


なんだ?あ、、、さっきの衝撃波で割ってしまったか。まずいな。


そう思うが、一度ヒビが入った結晶のひびは一気に広がった。


ピシピシ、ガシャーン


結晶は大きな音とともに割れ、結晶の破片が周囲へ飛散した。そして、鎖に繋がれた少女の全身が露わになった。結晶越しで確認していたが、衣服をみる感じ高貴な身分であったことを察することができる。


生きているのか?


罠に警戒しつつ少女に近づく。


そして心音を確認しようと少女の胸に手を当てる。


ド、ドクン


!?生きてる?


その時、


む、胸を触られてる!?キャー


なんだ!?誰だ?


周囲を見渡すが、俺と目の前の少女以外は確認することができない。


と、なると、、、喋ってるのはこの少女か?だが彼女は今も眠ったままである。


もう一度、彼女の胸に手を当て心音を確認する。


イヤァ。やめてください!


?!もしかして目の前の少女が話してるのか?


再び胸に手を当てる。


だからぁ!!なんでそんなに胸ばかり触るのですか?胸以外の場所でも会話できますよ!?


ん?すまない。


太ももに触れる。


やんっ♡、、、っキャーーー


•••••••••••••••

その後いろいろな場所を試して

最終的に肩に触れることは許された。


仕組みは分からないが、要するにお前に触れることで俺たちは会話をできるということか。


そうですけど。


気のせいか棘がある言い方をされる。


なにか怒ってるのか?すまない。今まで女と関わった経験があまりなくてな。そこは許して欲しい。


10歳には軍人として戦いに明け暮れていたせいか、本当に女性経験がないのだ。


素直なんですね。まぁ今回は許してあげます。


ありがとう。ところで、お前はどうして結晶に閉じ込められてるんだ。


鎖に繋いだまま質問するなんて拷問みたいですね?


仕方ないだろう、俺はまだお前を警戒している。色々こっちの質問に答えてくれたら、鎖をきってやってもいい。


ブフッ!鎖を切る?面白い人ですね。

いいでしょう!今回は笑かしてくれた礼にしつもんにこたえてあげましょう。


どうやら冗談を言ったと勘違いされたらしい。


そして彼女は今までのおどけた態度から、急に真面目になり話し始める。


なぜ、結晶にいたか?それは私が遺跡の贄にされたからです。


遺跡の贄?どういことだ。


どういことってそのままですよ。私は遺跡が広がるのを抑えるために、捧げられた生贄なんです。この世界では常識のはずなんですがね。


俺の知る世界では遺跡が広がるという話は聞いたことがない。


俺はそんな世界は知らないぞ。


あははは。ほんとに常識ないんですね。まあ、とりあえずそういう訳なんです。私は遺跡が広がるのを抑えるための道具として結晶と鎖で拘束されてたんですよ。


なるほどな。ということは俺は遺跡が広がる手助けをしてしまったということか。


そういことです。


ここまでの話を聞いて知らない話ばかりで驚く。だが、それよりも生贄になったのにそれをなんでもないように振る舞ってる彼女のことが気になった。


お前は生贄としてこのまま拘束されてて良いのか?


そりゃ嫌ですよ?でもこれは私の王族として生まれた宿命ですから。私が我慢するだけで、大勢の人の命を救えるんです。私すごいでしょ!


人々のために命を張れる王族なんて中々いないだろう。俺は素直に関心した。そして、彼女を救いたいと思った。


誰かが生贄になるしか方法はないのか?


遺跡奥にいるコアを持つ主を倒す方法があるらしいですけど、無理でしょうね。今まで人類はその生物に挑み続けたらしいけど、誰一人勝てなかったらしいし。


そうか。ならそいつを倒せば、お前は自由になることができるんだな?


は?何を言ってるんですか?


俺なら倒せると言ってるんだ。


絶対に彼女を救うと決心した。












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若き英雄と呼ばれた少年、転移後の世界で無双する @snow_risu3

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