第2話 転移した?
俺は魔軍山脈の森にいたはずだった。だが突如として、空から光が俺を突き刺し、気付いたら今の場所にいた。
魔王軍のトラップか?
周囲を確認すると、俺が今いる場所は古い遺跡の地下らしく、周りには崩れた石柱やバラバラになった石碑が散乱している。
魔軍山脈の中にこんな遺跡があったなんて知らなかったな。ん?
俺は割れた石碑に書かれた文字を見る。
こんな文字は人間も魔王軍でも使っているのを見たことがないぞ。今の時代よりもはるか昔に栄えた文明があったのだろうか。
なんにせよ、今はどうでもいい話だがな。まずはこの遺跡から脱出せねばならない。
出口はパッと見た感じ1つしかない。警戒しつつ出口へとすすみ、一本道を進んでいく。
そして広い場所に出た。
なんだここは?
その部屋は結晶のようなものが、びっしり生えており、中央には透明な水晶が置かれていた。
水晶か。ん?中に何かいないか。てかあれは人間の女か!?
水晶の中にはなんと鎖に繋がれた美しい少女がいた。少女は王族がきるようなドレスを身につけており、水晶の中で死んだように目を閉じていた。
助けるか。いや、こういうのはトラップに違いないからやめとくか。目の前の少女を見捨てるのは心苦しいが、俺は今魔王軍をうちに行かなければならない。ゆるせ。
そう決心し水晶の奥の道へと進もうとした時、
ッ!
ドカーン
突然巨大な斧が目の前に振るわれ、その衝撃で壁が崩れ道が塞がれた。
この巨大な斧をふるえるということは、魔王軍の将校以上か。少し面倒だな。
すぐさま後ろへと跳び、斧を払った者から距離を取る。
オマエ、ナニモノ。ドコカラキタ。ナゼイセキノオクカラデテクル。
突然脳の中に思念のような物が飛んでくる。
俺こそ聞きたいな。気づいたらここに飛ばされてたんだ。だからここを荒らそうとかいう意図はない。
俺の言葉の意味が通じるなら見逃してくれないだろうか?
試しに言葉で呼びかける。
トバサレタ?ワカラナイ。ココハフウインノチ。フカノウ。オマエヤバイ。カンジル。コロス。オンナフウイントカセナイ。
言葉は通じるようだが交渉決裂か。
ズドーン。
その瞬間何か巨大な塊が天井を突き破り、落ちてきた。
なんだこいつ。、見たことがないな。
そいつは5メートルほどの体躯で、頭は牛。体は筋骨隆々の人型をしていた。そして、両手に身長と同じくらいの巨大な斧を2本持っていた。
シネ。
両方の斧が同時に俺の方に向かってくる。
とりあえず受けてみるか。
背中に背負った2本の刀のうちの1本を抜き構える。
がキーン。
受けた瞬間、衝撃波が起こりその衝撃波で、周囲の壁や天井が破壊される。
うおっ!笑パワーだけは見た目通りあるな。
だけど、魔王軍の将軍と比べれば大したことはないな。
斧と刀の力が均衡しているところに、さらに力を入れて斧を弾く。
ヌォッ!
牛頭の体制は崩れ。体が後ろに倒れ込む。その隙を見逃さず、牛頭の目の前に跳び上がる。
じゃあな。一閃!
シュバっ!牛頭を真っ二つにし、着地する。
終わったか。先へ進むか。
すると、
透明な結晶、、、ピシッ
なんだ?あ、、、さっきの衝撃波で割ってしまったか。
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