若き英雄と呼ばれた少年、転移後の世界で無双する

第1話 若き英雄

ねぇ！おじいちゃん　またこの本読んでよ。

また読むのか。これで10周目じゃぞ。

いいの。いいの。本に出てくる英雄のお兄ちゃんがほんとにかっこいいんだもん。結婚してほしい♡

なんじゃとおっ！まあよい。仕方ないのぉ。ほれ、そこの椅子に座りなさい。

はーい！

では読むぞ。

かつて人間族は魔王軍の侵攻により、滅びの手前まで追い込まれていた。しかし、人間族が最後の砦まだ追い込まれた時、ある少年が現れた。少年は剣に関して天賦の才をもち齢10歳にして、軍で最強の剣士となり、将として軍を率いた。そして、当時魔王軍最強と呼ばれた将軍の一人を討ち人間族に百年ぶりの勝利をもたらしたのだ。その後、彼の軍勢は破竹の勢いで魔王軍を破り、人間族の領土をかつての最盛の時代の頃まで回復させた。

そんな彼のことを人々は敬意を込めて呼ぶ。

若き英雄と。

えーもう終わりー？というかこの話って十年くらい前の話だよね？

あーそうじゃな。

てことは英雄のお兄ちゃんて、まだ20代だよね？

そうじゃの。

てことは、私が20歳の頃には30代。(いけるっ！ふふふ)

何かいったかの？最近耳が悪くてなぁー。

なんにも言ってないよぉ♡というかこのお兄ちゃんて今どこにいるの？会ってみたいなー。

それなんじゃがなー、誰も分からないそうなんじゃ。10年前に魔軍山脈に遠征に行ったそうじゃが、そこから戻らんかったらしい。

えっ？じゃあ死んじゃったの！？

そうじゃろうなぁ。生きてたら帰ってくるはずじゃろうし。

そんなー！シクシク

おーおー、そんな泣かんでも。

まぁ彼が消えた日、突如空から光が山脈を突き刺したとか。もしかしたら別の世界に飛んだかもしれん。

そうだったらいいなぁ！てか絶対そうに決まってる。(絶対お嫁さんにしてもらうんだから、覚悟しておいてね♡)

続く。