短歌「さようならの前に」

浅倉 茉白

死にたいと 思う人など いない春 ただ原因を 人は生み出す

死にたいと 思う人など いない春

ただ原因を 人は生み出す


くたばって くたばり果てて 生きている

まだやれること 何かあるのか


夢なんか 叶えたくない そんなフリ

続けて夢は 叶わないだけ


思い出を 思い出すほど 辛くなる

それでも今は 思い出したい


死んだ人 星の数ほど いるのなら

その数くらい 生きやすくして


生まれたい 思った覚えは ないけれど

ちょっとよかった ときくらいある


生まれたい 思った覚えは ないからさ

割引くらい してくれていい


嫌なこと 悲しいことが 大嫌い

いや嫌なこと が大嫌いて


腹減った 腹減るほどに 生きてると

実感しつつ 腹減ってるよ


ポテトとか 食べたい気分 なってきた

そんな夜とも いつかさよなら


あの人は 今頃何を してるのか

死んだからって 生きてなくない


凹むから 膨らむことも あるものさ

凸凹道を 寝転がりたい


何もせず 何かをするの 繰り返し

よく生きてると 誰か言ってよ


好きな人 好きになれたは いいけども

好きになられぬ こと起きるなぜ


競争を 続けることが 生ならば

降りたい人の 気持ちはわかる


なぜか泣き 拭う両手で 顔洗う

これも未だに 生きてる証


知らないで 協力してる ぼくたちの

手では持たない 武器と返り血


花だって 綺麗なだけじゃ ないかもね

だけどあなたは 花になってよ


近づいた 部屋飛ぶ虫も 懐かしく

声が聴こえる うそ、聴こえない


言えるかよ 言い切れるかよ 人生で

まとめきれない ごーしちごしち

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短歌「さようならの前に」 浅倉 茉白 @asakura_mashiro

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