「幽霊ではないと思います」
「でも、生きてる人ではないんでしょ」
「それはそうです」
「なら幽霊だ」
「そうではないと思います」
「なぜ」
「死んでみたらわかります」
「死んでみたら何がわかるんですか」
「私が幽霊ではないということです」
「それはどうしてですか」
そう尋ねると、一瞬の静寂があってから、耳に高くかすれた声が入ってきた。
「宇宙人は自分のこと宇宙人とは思わないでしょう」
——そんな女幽霊と男子中学生が放課後の理科室で交流する話。
https://kakuyomu.jp/works/4852201425154982205
一通り読み直して、一部書き直して、再公開しました。まぁ特別面白いと思わない人もいるでしょうし、わざわざ興味ない小説を読む必要はありません。
2016年に書いたものなんですって。女幽霊と中学生が会話して、仲良くなったり、幽霊の背景をちょっとだけ知ったり、そんな話です。主人公が特に大したことは何もしないんだけど青春小説として成り立つものを当時目指していた気がします。
自分が最近、多くの作品を非公開にしたのも、この作品を少し直したのも、考えてやったわけじゃなくてなんかやってました。自己満足です。自己満足がやっぱり自分の創作スタイルみたいです。以前から自覚してましたが、ちょっと前まで忘れてました。虚しさが勝ってました。
本来は読む人に面白いと思ってもらいたいですけど、自分では面白いと思うものをたぶん作ってきました。
今後のことはわかりませんが、とりあえず自分の原点みたいな作品とまた向き合えて、個人的には良い時間でした。