第59話不老魔女
ほぉ、如何にも館主がいるだろう扉だな。
どれどれ、第一印象は大事だ。
軽く蹴り開いてやるか。
「ちょ! ゆ、勇者様! 脳筋開きはダメですって!」
「知らん。ん?」
おいおい、自動で開きやがったぞ。
チッ。
「うぉ……色香がエグイな」
「……や、やっぱりワシ、待ってまぐぇ?!」
「行くぞ」
首根っこ掴みがデフォでいいかもな。
女体像が所狭しに飾られて、ピンクや紫の煙が充満してるぞ。
ん? 奥に人影が薄っすら見えるな。
「ふふ……来たわね……さぁ……そこの椅子にお座りになって……」
入り口で聞こえた声だな。
どれどれ、どんな奴か見定めるか。
「ようこそ、勇者様改めて新魔王様……元魔王様も……」
「貴様……どこかで見たことあるぞ?」
「ワシの馴れ初め映像に出てた方ですよ」
「……あのどエロい痴女か! 全く姿が衰えてないな! 不老か?」
「新魔王様もお望みで……?」
永遠の美貌は欲しいが、コイツに出来るのか?
「貴様は何者だ」
「わたくしは魔女……あらゆる魔術に長けている者よ……」
「ほぅ、不老も魔術という事か」
「えぇ……それで? 不老になりたいのかしら……?」
「是非、頼」
「タンマです! 勇者様!」
塵芥の分際で、急に出しゃばるなんぞ、許されてたまるか。
「魔王城から放り出すぞ」
「とにかく聞いて下さい! 魔術の代償として、相手の大事な物を勝手に奪うんです!」
「なに? ほんとか?」
「元魔王様の場合、頭頂部の毛根を奪わせて貰ったわ……」
だから初対面時に剥げてたのか。
なら、問題ないな。
「ただ先日、元魔王様を人体改造したでしょ……その時に代償が破棄されたのよ……」
「そうだったか。代わりではないが後頭部を剥げさせてある。これで許してくれないか?」
「良くないですって!」
「構わないわ……それで……不老になるの……?」
不老フレンズが欲しいなら是非ともなってやろう!
女勇者、引退したい魔王に代って、魔王になる とある農村の村人 @toarunouson
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。女勇者、引退したい魔王に代って、魔王になるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます