気がつけば受取人として手紙を読んでいる
- ★★★ Excellent!!!
タイトルに「手紙」とあるが、私は小説を読むためにこのページにたどり着き、小説を読もうと思って、小説を読み始めたわけである。
しかし、いつの間にか受取人として、手紙を読んでいた。
短い手紙の中に、あっという間に感情移入していた。
読み終えて、あ、私は私だった、と我に返った時、まんまと術中にはまっていた、と思った。
そのような形式の小説も世の中には多くあろう。
ぱっと思い浮かんだのは夏目漱石の「こころ」だが、あれは手紙の形式になるのは後半からだから、今作のように瞬間的に惹き込まれたという印象はない。
このスピードとシームレスな感じは、これまであまり経験したことがないように思います。