第4話 デート?

ある日エレノアから

「お兄様!デートにいきましょう!」と言われ困惑してしまった。

エレノアさんや、兄妹ならデートではないだろうと。

そうするとエレノアはちょっと不機嫌に頬を膨らませて、

「お兄様とのお出かけならデートに決まっているではありませんか!私とお出かけをする男性はお兄様以外に存在しません!」


ん〜そんなに言われても納得はできないぞ…確かにエレノアに男の友達はいない…(てかそもそも俺って友達いるのか?正直前の記憶がほとんどないからもし居たらそいつとどう話せばいいんだか……)



しばらく悩んだうち、レオンはデート?の誘いに乗ることになり、2人は王都へのデートに赴いていた。


「エレノア…もうそろそろ俺の腕から離れないか?ずっとくっついているのはとても目立つからな…俺たちはあんまり目立ってはいけないんだよ?」


レオンとエレノアは、悪役令嬢になるだけあって貴族であり、それなりの知名度はあるのである。


「お兄様?デートで腕を組んで歩かないカップルなんて所詮破局するんですよ。

ほらあそこの男女もあと数ヶ月もすれば破局することでしょう。はぁ〜なんて軽い愛なんでしょうか?私なら一度決めた殿方とは一生を添い遂げる覚悟で尽くして差し上げると言うのに……ね?お兄様♥」


グサッ…なんか思いっきり釘を刺された感覚と共に、俺の腕に抱きついているエレノアの力がより強くなるのを感じた。

(うん。一旦スルーしよう)


そんなこんなで、2人のデートは続いていき、出店での食べ歩きをしたり、エレノアに似合う服をプレゼントしてあげたりと、満喫している2人であったが、一向にエレノアはレオンから離れる気配を見せなかった。


「エレノア…言いづらいんだが、もうそろそろ離れたほうがいいと思うぞ?俺たちは兄妹なんだから、別にカップルみたいに破局することはないだろ?これからもずっと兄妹として一緒にいられるんだから何も問題……

「兄妹として?」


「ヒィ!」


「うふふ//♥情けない声を出すお兄様が素敵すぎて言い忘れそうになりましたが、私にとっては何も問題ありませんし、むしろ私とお兄様の仲を皆様に見て頂きたいのです♥私はお兄様のことを兄としても魅力的だと感じますが、それ以上に…「ストップだエレノア何かおかしい」


急に冷静になるレオンにエレノアは驚いたが、すぐにその異変に気づくことになる。


「誰も…いなくなってしまいました。」


騒然としていた王都の町が、瞬きをした一瞬にして、一人残らず消え去ってしまったのだから。


「一体誰の仕業なんだ。こんな一瞬で大勢の人間を消すことなんて不可能だ。これはまるで(ゲームであった認識阻害の…)」

「…!お兄様、こちらです」

「うぉあ!」


不幸中の幸いか、エレノアがレオンの腕を引っ張ることで、何者かからの攻撃を避けることができた。あまりにもはやい、恐怖ももちろんあるが、流石は異世界の能力だなと感心してしまう。


「何者だ!!!お兄様との時間を阻害するゴミ野郎は!!!出てこないと、生まれてきたことを後悔させてあげますよ…」


こっわどうしちゃったのエレノアさん。こんな怒ってるのゲームでも見た事ないんだけど…

激怒するエレノアに驚いたのも束の間、俺は呼吸が出来なくなるくらいの衝撃を受けることになる。


「うるさいな〜とやかく言われなくて出てくるっての~」


出てきたやつに俺は唖然としてしまった。なぜならそいつは、俺の知る限りユーザーの中で最も苦戦したボスとして語り継がれている、クラリス・アンヴェールの姿だった。


「ったく、こんなクソみたいな任務やらされるなんてね〜。流石のアタシも舐められたもんだわ。」

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妹が悪役令嬢なはずなのですが、既に好感度振り切れてるんですが…?なぜ? ヒロ @heichouhirou

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