第45話 勇者御一行、もういないから
子供は出来るかもしれない
だった。
魔物同士は一緒にならなかったし有機生物との気持ちが実ったのは初めての例でわからないらしい
まぁいいか
今日は婚礼の日
朝のうちに勇者に関する記憶操作を切った
途端に、関係者は勇者がいない事に気づいて焦りだす
あちこち探す中で魔法使い一族もいない。円光寺にたどり着けないなど色々なトラブルに見舞われ…
王国は集まった来賓や他国に
勇者は妻共々体調不良で婚礼は一旦中止と謝罪した
王宮にて色々と会議をするが解決にいたらない
イライラしながら王は謁見の間に集まった中にいた一人の男を見つける
「須原っお前に任せていた勇ましき者じゃなかった男児とまだ行き先のない女児はどこだ!?見目のいい、あいつらと似たやつを勇者に立てよう」
「王様。彼らはもう児童ではありませんよ」
「そんな事はどうでもいいっどこにいる」
「ですから、児童ではなくなり成人しましたのでかねてからのお言いつけ通り男児は処刑女児は売り払いました」
本当はいい縁を結んで他国へやったのだが
その話を聞いていた貴族達がざわつく
「そんな指示を…」
「酷い」
など聞こえる中で王は
「黙れ!処刑するぞ貴様ら」
と叫び須原に掴みかかるが、掴めない
スルリと指がすり抜ける
「ひぃ!?」
周りも悲鳴を上げる中で須原はアスラスになる
「慈悲深さのない縁に興味はない」
そういうとアスラスはフッと消えていった
「魔物だ!あれは神じゃない!魔物だ!魔物研究所の者を呼べ」
城の者が魔物研究所の扉を開けるが壁しかない
「そんなはずは…」
「いや。この向こうに部屋があったら王宮の壁が一部不自然に膨れていることになるぞ」
また集まった貴族がざわつく
「円光寺に連絡はついたか!?」
「それが手紙はことごとく戻り使者は迷います
ただ普通に行っているものもいてSNSには写真も上がるためその者に手紙を書かせたりしたのですが…王宮の手紙は届かず伝言に行こうとすると迷います。実は炎熱拳聖も同様で…」
しばらくするとまた各国の森などに魔物が出現し始める(美味しいもの採取したりしたいじゃーん)
しかも攻撃は以前より通らない(覚悟バフないと行かせて貰えない)
どういう事か勇者が魔王を倒して魔物は居なくなったのではなかったのかと王宮には連日各国から苦情が届いた
ある日、世界の空1面に2本の角と3つの目がある顔が浮かび上がる
顔曰く
➀我は魔王カタン。魔王は討伐できぬものであるが次に魔物に牙をむいてみろ人類に報復をするぞ
語り伝えよ
②勇者一行は我が国に招いた。もういないと思え
そうして消えていった
こぼれ話として
しばらくすると円光寺に王宮へ招待する手紙を書くことが流行する
無事に帰るお守りなのだそうな
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
500年の後
「それで?それで?その王国どうなったの?」
「さぁなぁ…全く興味が無くなって見に行ってもないからなぁ」
「久しぶりに見に行ってみましょうか」
ソッと人化してちょっと変装の魔法をかけて移動してみると街も人も随分と様変わりしている
「王宮があるわ」
「へえ。あるんだ。懐かしいなぁ。行ってみる?お母さんの生まれた所」
「行く行くー。」
中は当時を伝える博物館になっていた
今は王国は無くなっており、民政がしかれているらしい
「あ。勇者アンドリダの写真があるよ」
「あら。変わらないわねぇ」
「あ。覚ちゃんとープリモちゃんとー炎熱ちゃんー」
父と母に手を繋がれたかわいい女の子が指をさす
「小さいのに昔の勇者一行をよく知っているのね」
と見知らぬお婆さんが見ていく
博物館を出て三人でひとけのない場所まで歩く
「私の生まれる何年前?」
「494年くらいかな」
「494年かー。長かったなぁ」
「魔物同士は子供が出来にくいんでしょうね…良かったわ かわいい子供が来てくれて」
「本当に」
子供を大切そうに抱えた男性が反対の手で妻を抱き寄せて
消えた
勇者御一行、もういないからな!! @den8
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
近況ノート
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます