第44話 ずっと一緒に
「ラプリエール」
アンドリダが手を繋いでくる
「大丈夫よ。アンドリダ」
ワタクシになんの問題もない事を伝える
「じゃあ、アンドリダ手を出して」
そういうとカタンさんはアンドリダの腕に深く傷を入れる
そこにカタンさんの肉片を埋める
もう戻れない
しばらくしてアンドリダも魔物化に成功する
「じゃあアンドリダ、コレを」
カタンさんがアンドリダにナイフを渡す
「え?」
アンドリダが不思議そうにカタンを見返すと
「ラプリエールはアンドリダと在りたいんだろう?アンドリダの魔細胞で魔物化した方がいいじゃないか」
と笑っている
絆やつながりを感じる為にもその方がいいわ
アンドリダの細胞をワタクシに…
アンドリダが
「ラプリエール…ごめん、痛いよ?」
と言って刃がワタクシの腕に入る
痛い。凄く痛い。
アンドリダが自分の腕から肉片を取り出して
ワタクシの傷に埋める
ワタクシの細胞とアンドリダの細胞が混ざり合って
ワタクシも無事に魔物化する
アンドリダ、あいつも王国も国民も捨て去りましょう
炎熱さんは王国でカタンと入籍するらしい
その後親しい人以外の記憶を操作して外国にいる事にするという
覚悟さんは王国から関わられない
プリモは一族とも完全に王国から消えている
だから
ワタクシたちはわざと何も記憶操作しないで魔王国へ引っ越す
きっとパニックになるわ。あの国王
来週の婚礼の日が楽しみね。
うふふ
ワタクシとアンドリダはみんなの手を借りて必要なものを屋敷から運び出した
あいつの息がかかってなかった使用人たちは前から別の名家にいたことにしてある
せっかくだしと魔王から魔王国に新しくいただいた自宅はこじんまりとしているが実に快適そうで
アンドリダと住むのに何不自由なく有り難い
新居で迎える初めての夜。いつも通りに二人で布団にもぐる
「ねえ。アンドリダ」
「んー?」
「魔物って…その…子供ができたりするの?」
ワタクシたちは神と変わらない強さがある
その子供なんてできるのかしら
「さぁ。魔物と有機生物では魔物が産まれたみたいだけど、今度魔物研究家に聞いてみるかw」
アンドリダの子供が欲しいなんて思っているのはワタクシだけかしら…ショボンとする気持ちを抑える為に荷物の整理をはじめようとしたんだけど…
「そんなの後でいーんじゃない?」
と、アンドリダに布団へ戻される
だって…気持ちの整理がつかないんですもの
ちょっとむくれてアンドリダを睨む
なのにアンドリダは
「かわいい。」
と言って頬をつついてくる
「ね、子供が出来ても出来なくてもいいじゃない?」
そう言いながら口づけをしてワタクシの上にアンドリダがかぶさってくる
そ、そそ、そうよね…ワタクシたちはずっと前から夫婦だし
気持ちもかよったんですものねっ
「アンドリダ。好きです」
「知ってる。俺もラプリエール大好き」
あぁ…本当に幸せですわ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます