女子会!話題の中心は主人公の親友(美咲視点)
「それで?どこまで行ったの?」
私、橋川 美咲は目の前でご飯を食べている結ちゃんにそう聞いた。
「…なんの話しかしら?」
結はそんなふうにシラを切っているけどあの顔は絶対に私の言っている意味がわかってる。
「もー、分かってるでしょ?真柴君のことだよ」
そう。真柴君。多分、というか絶対結ちゃんは真柴君のことが好きだ。私が裕也君と付き合う前から真柴君のこと目で追ってたし。
「どうしてそこで真柴君が出てくるのかしら?」
…え?バレてないと思ってるの?嘘だよね?
「え?好きでしょ?真柴君のこと」
私がそう言うと結ちゃんは頬を真っ赤に染め慌てて口を開く。
「す、好きなんかじゃないわ?た、ただ少し仲良くなりたいと思ってるだけよ?ホントよ?だから好きなんかじゃないから」
ものすごく早口だ。結ちゃんは嘘が下手だなぁ。
「へー?」
「な、何かしら?」
「せっかく真柴君とくっつくのを助けてあげようと思ったのにー」
「っ!」
結ちゃんの肩がピクっと跳ねる。
「でも好きじゃないならそんなことする必要ないよねー?」
結ちゃんは頬をと耳を赤くしてプルプルと震えている。…可愛い。可愛いよ結ちゃん!それ真柴君に見せたらイチコロだよ!えー、真柴君に渡したくなくなっちゃうよー。
「…ちょ、ちょっとは好きかもしれないわね」
そんな素直になりきれないところも可愛いなぁ。
「…なにニヤニヤしてるのかしら?」
口角が自然と上がっていることを結ちゃんに指摘される。
「いやー?素直じゃないなーと思って」
「…うるさいわね」
結ちゃんはメガネの奥の目で小さく睨んでくる。それが拗ねた子供の用でまた可愛いと思ってしまう。
「それで?どこまで進んだの?」
手くらいは繋いでいるかもしれない。いや、真柴君と結ちゃんの仲の良さならもしかしたらハグまでしているかも…
「…と、友達になったわ」
「は?」
結ちゃんは恥ずかしそうにそう言った。いや、え?友達?
「えっと?結ちゃん。真柴君とは既に友達じゃなかった?」
「ど、どこからが友達だって呼んでいいか分からないじゃない!私が勝手に友達だと思っていて向こうがそう思っていなかったらどうするのよ!」
あー…これは思ったよりも大変かもしれない。
「じゃあまだ手も繋いでないの?」
「そ、そんなこと出来るわけないじゃない!まだ付き合ってもないのよ?」
「え?で、でもこの前ファミレスで膝枕されてたよね?」
あれはなんだったんだろう?
「え?えぇ、されてたわよ。最近逆もしたわね」
ん?!
「ぎゃ、逆?」
「えぇ、私が真柴君を膝枕したのよ」
…それが出来るのに手は繋げないって何?
「膝枕は出来るのに手は繋げないの?」
「膝枕は直接肌に触れないじゃない!」
いや基準がおかしいよ!絶対に手を繋ぐより膝枕の方が難易度高いから!
「じゃあハグは?」
「は、ハグなんてもっと出来ないわよ!」
「どうして?ハグなら肌は直接触れないでしょ?」
「せ、接触面積が大きいでしょ!」
め、めんどくさい…
「えっと、じゃあ真柴君とはまだ友達になったばっかりだってこと?」
「そ、そうよ?なにか悪いかしら?」
「別に何も悪くないけど…これは大変だね…」
そんなことを話しているとポケットに入っていたスマホが震えた。スマホをポケットから取り出して画面を確認するとそこには裕也君からメッセージが来ていた。
『蒼緋に柳のことを嫌いかって聞いたら「そんなわけない。むしろ好きだ」だってさ』
そう。私は今日、裕也君に真柴君が結ちゃんのことをどう思っているか聞いておいて欲しいと頼んでおいた。その返答が今来た。
私は少し笑いながら結ちゃんに声をかける。
「結ちゃん」
「何かしら?」
私は持っていたスマホの画面を結ちゃんに見せるように半回転させる。
「………」
それを見た結ちゃんは固まって徐々に顔が赤くなっていく。
「ふ、ふふふ…ふふふふふ…」
結ちゃんはなんとも恥ずかしそうで、それでいて嬉しそうに眉を下げながら笑っていた。
「…」
「美咲?ど、どうかしたのかしら?」
私に見られていると気づいた結ちゃんは咄嗟に姿勢を正した。
「…いや、なんでもないよ」
「そ、そう」
あの顔を見せれば一発なのになぁ…あんな可愛い顔なかなか見れないよ。女の私でも真柴君に嫉妬しちゃいそうだよ。
あとがき
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主人公のラブコメが終わったあとの話 Haru @Haruto0809
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