男子会!話題の中心は下ネタ女
「それで?どこまで行ったんだ?」
久しぶりに裕也と昼ご飯を食べていると裕也がいきなりそんなことを言ってきた。
「ん?なんのことだ?」
裕也のその問に俺は答えを持ち合わせていない。というかまず質問の意味がわからない。何がどこまで行くんだ?
「恥ずかしがるなよー。知ってるんだぞ?最近お前、柳と一緒にいるんだろ?」
「…よく知ってるな」
多分柳が橋川に言ってるんだろうなぁ。裕也がそれを橋川から聞いたんだろう。まぁ別に隠すようなことでもないんだけど。
「だからどこまで行ったんだ?」
こいつはもしかして俺と柳の間に恋愛感情があると思っているのか?
「柳と俺はそんなんじゃないぞ?ただ最近友達になっただけだ」
「最近友達?お前ら結構前から仲良かっただろ?」
「…まぁいろいろあるんだよ」
そう。色々あるのだ。色々。
「ふーん?」
裕也が不思議そうに話を聞いていた。
「ところで今日橋川はどうしたんだ?最近ずっと一緒にご飯食べてただろ?」
今はいない裕也の彼女のことを思い浮かべながらそう問いかける。付き合ってからはずっと一緒でベッタリだったはずなんだけど…もしかして喧嘩でもしたのか?はっはっはっ!そのまま別れてしまえ祐也くんよ!
「あー、美咲がなんか「私たちは今日女子会があるから!」とか言ってたんだよな」
「なんだ?女子会って」
「さぁ?」
俺たち男子にとって女子会というの未知の領域なのだ。裕也…この前まではそんな女子会の中に一人お呼ばれするような主人公だったお前が…今はこうやって虚しく男二人で昼ご飯なんだから、最終回の後っていうのは案外つまらないもんなんだろうな。物語は最終回で終わってこその物語だな。
そんなことを勝手に結論づけながらカツ丼を頬張る。
「本当に柳とはただの友達なのか?」
裕也がもう一度そう聞いてくる。
「さっきもそう言っただろ?確かに柳は顔が整ってるし身体もドスケベボディだ。でも柳が俺と付き合うことはないだろ」
「なんで?」
裕也が本当に分からないと言った風に聞いてくる。
「なんでって…向こうにその気がないからだよ。お前は知らないかもしれないけど柳って結構友達に求めるもの多いんだぞ?それが恋人、彼氏になればもっと求めるものも多くなるだろ。俺はそれには該当しないんだよ」
「それで?」
「は?それでって…なんだよ」
裕也はご飯を食べる手を止め俺の目を真っ直ぐ見る。
「お前はどうしたいんだ?」
「お、俺?」
「あぁそうだ。蒼緋はどうしたい?柳とどうなりたいんだ?」
そう聞かれて初めて考える。柳とどうなりたいか?柳とは話していて退屈しない。楽しいやつではある。だけど今まで恋愛対象として見た事はなかった。いきなりそんなふうに見れるかと聞かれたら…分からないと言うしかない。
「…分からない」
「…これはかなり大変だぞ。頑張れよ…」
「は?なんだよそれ」
「いや、これからこんなやつを相手にしないといけない人の苦労を考えてた」
「なんだよそれ…」
余計に意味が分からなかった。
「でもまあ少なくとも嫌いではないんだろ?」
「当たり前だろ?むしろ好きだぞ?」
だって裕也以外で初めてできた友達だし?まぁ話していて楽しいし?あれ?俺って結構柳のこと好き?でもやはりそれは恋愛感情ではなく友達としての感情だ。
「…これは本当に大変そうだな」
だからなんだよそれ。
あとがき
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