最終話:もうひとりのジゼル。
俺とジゼルと
大学が休みの日、
連れて行ってエッチしていた。
それがいつの頃からか、ジゼルが俺を拒否するようになった。
なんでか意味が分からないままジゼルとの距離が少しづつ遠ざかって行った。
その理由をジゼルに問いただしたが、その時は答えてはくれなかった。
それから約一ヶ月あまりしたある日、俺は音緒とジゼルに話があるって言われた。
「ふたり揃って話ってなんだ?・・・」
そしたら
「あのね・・・驚かないで聞いてね・・・」
「実ね、私とジゼだけど・・・付き合ってるの」
「はあ?」
「だから、私たち愛し合ってるんだよ」
「えっ?・・・・・うそ〜・・・付き合ってる?」
「まじで?・・・また〜・・・またまた〜、ふたりして俺をからかってるんだよな、
そうだよな」
「からかってなんかいないよ・・・まじな話だから、ねジゼ」
「うん、愛し合ってるね」
「ちょっと待て・・・」
「てかそれって同性愛だろ?」
「ジゼルなんで?、俺たちずっと一緒にいたけど、気付かなかったし・・・」
今度はジゼルが言った。
「あのね、
「信じられんわ・・・そんなこと」
「俺の理想の夢の中の女が、なんでそ言うことになってるんだよ」
「それでなのか・・・最近ジゼルが俺に冷たいのは・・・」
「ようやくその原因が分かったよ・・・」
「よりによっって俺の彼女と妹ができちゃうなんて、何をどうひっくり返したって、起こりえないだろ、そんな信じられないようなこと・・・ 」
「なんでこういうことになるんだよ」
「ごめんね音ちゃん・・・ねおっちと仲良くしてるうちに愛が芽生えちゃったの
だから私たちもう戻れないんだ」
「俺はショックだった・・・」
「ジゼルの気持ちが心変わりするなんて、俺から気持ちが離れていくなんて」
ジゼルは俺の夢の中の理想の彼女だぞ・・・勝手にひとり歩きしちゃって・・・。
こうなった以上、ジゼルに俺の元に帰れって言っても無理なんだろうな?
俺の楽しかったラブラブな日々は予期せず出来事で終わってしまうのか?
ジゼルの気持ちは俺から離れた。
ってことは?
俺はとっても嫌な予感がした。
音太郎を裏切った形になったジゼルはもう音太郎が描くキャラ「夢魔」じゃ
なくなっていた。
だからもうこの世界にはいられなくなった。
音緒に浮気したジゼルは雨の降る寒い夜に俺と
そして俺が眠った夢の中に現れたジゼルに告げられた。
「音ちゃん・・・ごめんね、こんなことになっちゃって・・・」
「音ちゃんを裏切っちゃった私は夢の中に引き戻されたみたいね」
「私はもともと夢魔なのに・・・もう夢魔でもなんでもない、なんだか分からない
女になっちゃった」
「こんなことになっちゃってごめんね」
「だから私は音ちゃんの夢の中から消えるね」
「夢の世界から永久に消える・・・無になれば、私も悲しまなくて済むから」
「音ちゃん、今度はちゃんと人間の女の子の彼女作ってね」
「今までありがとうね」
「私はたしかに音ちゃんを愛してたし、音ちゃんといた日々は最高に楽しかった
から後悔してないよ・・・元気でね、音ちゃん・・・さよならだよ・・・」
そう言ってジゼルは俺の夢の中からも消えた。
で
俺はしばらくの間、なにも手につかず傷心を抱えたまま大学へ通った。
ジゼルのことはまるで悪夢のような出来事、現実すら悪夢だったのかもしれない。
最初っからなかったことなのかもしれない。
俺の願望、妄想が見せた幻・・・そうだったのかもしれない。
ある日、大学の学食で俺はひとり昼食を取っていた。
そしたら、誰か俺の向かいの席に座った人がいて、その気配をすぐ感じた。
珍しいな・・・そう思って俺は顔を上げてふっと、その人を見た。
そして、そこで金縛りにあったみたいに固まって飛び上がるほど驚いた。
「え?な、なんで?・・・」
「あのオカルト研究部の
「はじめまして、私「
「オカルト研究会に入部したいんですけど・・・」
そう言われた・・・。
「ジゼル?・・・」
「顔も容姿もそっくりな上に、名前まで・・・?」
まじで?うそだよな・・・もうひとりのジゼルって?、こんな偶然ってある?
これってまじ悪夢だよな?
ジゼルが言ってた。
「音ちゃん、今度はちゃんと人間の女の子の彼女作ってね」って・・・。
おしまい。
悪夢で逢えたら・・・。〜夢魔ってのは昔から基本的にエロいもの〜 猫野 尻尾 @amanotenshi
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