Idea

文色ひふか

第1話

——とある一人と、とある一人が手を繋いだ。生まれる筈のなかった不思議。イデアから抜け出した意識は何故かそれを恋しく、また追い求める——


貴方は真っ黒な世界に立っていた。いや、立てているのかも分からなかった。足の感覚がなかった。腕も、皮膚も鼻も口も目も何の感覚もなかった。何かを見ている筈はないのに、目の前には確かに 何か 乱雑に見えていた。夢を見ている様な心地であった。



𓋴𓇋𓇌 𓐚𓇌 𓈖𓄿𓅓𓄿𓇋 𓇌𓐚𓇌𓎡𓇌 𓎡𓄿𓈖𓆓𓇌𓇌𓍯𓅱 𓎡𓇌𓃀𓍯𓅱 𓊃𓇋𓏏𓅱𓃀𓍯𓅱 𓇌𓅱𓅱 𓅓𓅱 𓏏𓇋𓈖 𓍿𓇌 𓅱𓍿𓇌𓇌𓅱𓅱 𓎡𓄿𓈖𓎡𓇋𓇌 𓎡𓄿𓎡𓍯 𓄿𓐚𓇌𓏏𓄿 𓐚𓇌𓈖 𓏏𓄿𓇌 𓋴𓅱𓃀𓇋𓏏𓇋𓈖𓄿𓎡𓄿𓏏𓅱𓏏𓄿 𓇌𓅱𓇋𓈖𓇌𓎡𓄿𓈖𓊃𓇋𓈖𓈖𓄿𓋴𓇋𓎡𓄿𓇌𓂩𓇋𓄿𓏏𓅱𓏏𓄿。



其処に、完全があった。満足だった。私は満開に爆ぜた星を掻き泳ぐ竜の姿を見た。朝と夜が共存してみせた、空を見た。滑らかに細い鳥の鳴き声が聞こえた。それに振り返ろうかと思った。辞めておいた。頬に涙が伝って、私は手を綻ばせそれを拭う。全て叶う。此処。



𓄿𓈖𓄿𓏏𓄿𓈖𓇌𓉔𓄿𓂩𓍯𓅱𓅓𓇌𓇋𓂋𓅱𓈖𓍯𓂩𓄿𓂋𓍯𓅱𓎡𓄿 𓎡𓍯𓏏𓅱𓎡𓇋𓇌𓂩𓄿𓂋𓍯𓅱𓎡𓄿 𓅓𓇋𓇌𓋴𓍯𓅱𓂩𓄿𓂋𓍯𓅱𓎡𓄿 𓅱𓄿𓏏𓄿𓐚𓇌𓈖𓇌𓉔𓄿𓅓𓄿𓂩𓄿𓎡𓍯𓏏𓄿𓇋𓎼𓄿𓅱𓄿𓎡𓄿𓂋𓇌𓋴𓍯𓅱𓅓𓍯𓈖𓄿𓎡𓄿𓏏𓅱𓏏𓄿 𓎡𓍯𓈖𓍯𓋴𓇋𓎡𓄿𓇌𓎼𓄿𓅱𓄿𓏏𓄿𓐚𓇌𓈖𓍯𓂋𓇌𓋴𓍯𓅱𓎡𓄿𓏏𓍯𓇌𓅱𓄿𓂋𓇋𓂋𓅱𓏏𓍯𓅱𓄿𓎡𓄿𓂋𓄿𓈖𓄿𓇌 𓅓𓅱𓐚𓇌𓂋𓍯𓈖𓄿𓈖𓇌𓅓𓍯𓎡𓄿𓈖𓎼𓄿𓇋𓊃𓅱𓈖𓇌𓋴𓍯𓅱𓋴𓄿𓎡𓅱𓍯𓐚𓇌𓏏𓇋𓇌𓂋𓅱 𓍯𓂋𓍯𓎡𓄿𓂩𓄿𓂋𓍯𓅱𓎡𓄿 𓅓𓍯𓅱𓋴𓅱𓎼𓅱𓎡𓍯𓈖𓍯𓎡𓍯𓏏𓍯𓃀𓄿𓅓𓍯𓅱𓍿𓇌𓎡𓇋𓋴𓅱𓎡𓄿𓂋𓄿𓂩𓄿𓂋𓇋𓎡𓄿𓂋𓄿𓅓𓍯𓉔𓇋𓈖𓏏𓍯𓅱𓉔𓄿𓎡𓄿𓇋𓏏𓅱𓏏𓇋𓎡𓍯𓊃𓅱𓅓𓄿𓅓𓄿。



貴方は何も見えなかった。ただ側から見て虹色に染まった太い絵筆が竜巻の様に猛る様だけが見えていた。退屈だった。ただ眠ろうとしても目の閉じ方が分からなかった。きっと暫しの間だろうから、と貴方は待つことにした。

ふと、貴方は意識に疑問を持つこととなった。私は何処から此処に来たのか?そもそも貴方は何処で如何様に生まれたのか?答えが出ないという意味で、この問は意義を持たなかった。



𓅱𓄿𓏏𓄿𓐚𓇌𓉔𓄿𓎡𓍯𓈖𓈖𓄿𓎡𓍯𓏏𓍯𓍯𓐚𓇌𓏏𓇋𓇌𓏏𓄿𓇌𓅱𓄿𓎡𓇋𓂩𓇋𓉔𓄿𓈖𓄿𓇌𓂩𓄿𓂋𓍯𓅱 𓋴𓍯𓅱𓋴𓄿𓎡𓅱𓏏𓍯𓉔𓄿𓈖𓄿𓈖𓇌𓎡𓄿 𓉔𓍯𓈖𓐚𓇌𓏏𓅱𓎼𓄿𓅱𓄿𓎡𓄿𓂋𓄿𓈖𓄿𓇌𓅓𓄿𓅓𓄿 𓈖𓄿𓋴𓄿𓎡𓇋𓈖𓄿𓇌𓅓𓍯𓈖𓍯𓍯𓅱𓅓𓇌𓂩𓄿𓐚𓇌𓏏𓅱𓂩𓅱𓎡𓇋𓏏𓇋𓇌𓂋𓅱 𓄿𓄿 𓄿𓄿 𓎡𓍯𓂋𓇋𓉔𓄿 𓎡𓍯𓂋𓇋𓉔𓄿 𓂩𓄿𓇌𓎡𓇌𓂋𓄿𓇌𓂩𓄿 𓅱𓄿𓏏𓄿𓐚𓇌𓉔𓄿𓂩𓍯𓅱𓋴𓅱𓂋𓇋𓃀𓄿𓇌𓇌𓈖𓍯𓂩𓄿 𓅱𓄿𓎡𓄿𓂋𓄿𓈖𓄿𓇌 𓅱𓄿𓎡𓄿𓂋𓄿𓈖𓄿𓇌𓏏𓍯𓇌𓅱𓎡𓍯𓏏𓍯𓂩𓄿𓎡𓇋𓍯𓏏𓅱𓂩𓅱𓏏𓅱𓏏𓇋𓇌𓂋𓅱 𓎡𓍯𓎡𓍯𓈖𓇌



物足りなくなってきた。無価値に思えてきた。もう辞めにしておこう。

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