第4話 いざ出陣

 夏だ!冒険だ!異世界だ!!俺はワクワクしながら荷物を詰めていた。俺は元々一人暮らしだから親には「旅行に行ってくる」とだけLINEした。今日はワクワクし過ぎて眠れないだろう。ああ、ドキドキする…


 ぐっすり眠ってしまった。もう約束の時間まで30分しかない。今日遅刻したら、二度と大園は誘ってくれないだろう。誘ってくれないどころかもう二度と話してくれないかもしれない。急げ!昨日用意していたから、ギリギリ間に合うと思う。俺はとにかく急いで、着替え、朝食を食べた。

 集合場所に行くと、いつもの制服姿とは違う大園がいた。

「やっほー。」と声をかけられた。俺の頭の中は妄想でいっぱいだったから、そんな声は聞こえてなかった。「おーい!」ようやく俺ははっとした。

目の前には、穴?いやゲート?ゲームでよく見るようなブラックホールみたいな穴がぽかんと開いていた。中は見た感じ真っ暗で、怪しげなオーラを放っている。

俺が目を見開いてみている間に大園はそのゲートの中に入っていた。

「おい!ちょっと待ってよ!」俺も一緒に入った。

     ・・・

気がつくとそこには大自然の山が広がり、川が流れていた。ここはどこなんだ?よくゲームで見る村みたいなところに着いた。

「さあ、いくよ」大園が言った。すると俺はとんでもないものを目にした。大園が片手に剣を持っているではないか。しかももう片方の手には盾、そして鎧...いつもの大園とは違いすぎる。

 俺たちは村のはずれの宿でしばらく暮らすことになっているらしい。そこまで行くと怪しい老婆がいた。

「こんにちは、あなたたちが異世界冒険にきた子たちね。」大園はコクリとうなずいた。「それじゃあ、これをわたしておくわね。何かあったらこの石を握って助けを求めるのよ。」そういうと老婆は消えた!え?目の前にいたはずの人が突然消え、俺はびっくりして動けなくなった。そうか、ここは異世界なのか。だからそんな事が出来るのか─。俺は怖いと同時に、少しわくわくしていた。

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いきなり女子から体育館裏に呼び出されたら、異世界冒険へのお誘いでした 風民 @kazetarian_

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