不登校

九十九空間

不登校

とても土のにおいがする花壇で

先生は苦しそうな顔できれいごとを並べていた

お母さんは泣いてた

僕はまだ小学生で

マリーゴールドを眺めながら

図鑑で見た

花の構造を思い出していた

茎、がく、花弁、おしべとめしべ、

アゲハチョウ、空、

ゆっくりと変化する雲のかたち、

僕は、僕は、

大人よりたくさん雲の名前を知っていたけど

学校に行くことさえできなかった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

不登校 九十九空間 @99_spaces

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画