第4話幸せは独り占め

3人は廊下でコソコソ話し始めた。

「隊長!女子を狙うなら今です。彼女らは、盗撮動画でムラムラしております」

「良い所に気付いたね。大崎隊員!中本隊員はどうだね?」

「自分もそう考えております」

「じゃあ、これから女子を落としに掛かろう」

「隊長どうやって?」

「演劇部から服を借りに行け!オレはヤツラをここに留める」

「何の衣装でしょうか?」

「大崎隊員、中本隊員、バスローブを3着だ。小道具はグラスを3つ」

「かしこまりました」


2人は演劇部の元へダッシュした。


「やぁやぁ、お待たせ。今日は君達に是非とも見せておきたいものがある」

と、古屋は6人に言った。

「何だよ!今から飯食いに行くんだ。早くしろよ!」

「おう、植林、お前らは帰れ。女子の皆さん少々お待ちを」


植林、坪井、細田は帰っていった。


3人の女子は、待ってみた。


「ちょっと待っててね」


「隊長、揃えました」

「でかした、君達。早速、作戦開始だ」


3人はバスローブを着て、手にはグラス。

中身は麦茶だ。


「お待たせ。こういう大人のオレ達と付き合わないかい?」

と、古屋らは麦茶の入ったグラスを持って回していた。


「だっさ」

「何だと?三井。植林よりオレの方がおとなだぜ!」

「……」


「でも、大崎君は似合うね」

「あ、ありがとう。久美子ちゃん」


「どうだい?愛ちゃん、この僕とワンナイトラブでも」

「中本君、鼻毛出てるよ」

「……」


古屋は中本に耳打ちした。

「このままでは、大崎だけが川畑と良い感じになってしまう!」

「そりゃ、この我々の部隊の崩壊を意味します。どうしますか?」


「ね?もう、着替えて一緒に帰ろうよ!大崎君」

「く、久美子ちゃん」

川畑はこの部隊からの脱退を表明したが、古屋と中本が大崎に殴る蹴るの暴行を働いた。


大崎は、唇は腫れ、鼻血を流していた。


「裏切りは許さん!この隊長の命令だ!勝手におなごなどと付き合うと死刑だからな」


ガラガラガラ


教室のドアが開いた。

「あ、あのぅ、古屋先輩いますか?」

「小娘、オレに何か用?」

「あっ、あのちょっと来てもらえますか」

「良いよ」


2人は体育館の裏に向かって歩いた。

女子は立ち止まり、

「古屋先輩、私、先輩の事が好きなんです」


「……オレもだよ。君の事はずっと見ていた」

「じ、じゃあ、付き合って……」


キェー!このっこのっこのっ!


大崎と中本は付けて来たのだ。

「オレは隊長だぞ!」

「知るか!そんなもん」


2人は古屋をボコボコにした。古屋も反撃した。

3人でもみくちゃになった。


「先輩が、こんな暴力的だったなんて、さようなら」

「ま、待ってくれっ!」

1年の女子は走って逃げた。


「古屋、貴様だけは女に近づくなよ」

「何だと、中本」

「僕は、まだ久美子ちゃんを諦めないからな」

3人は鼻血を流しながら、帰る準備をした。


その古屋の姿を眺めていたヤツがいた。

「はぁ〜あ、彼は諦めようかな」



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僕らの向日葵は罪な奴 羽弦トリス @September-0919

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