第4話 はい、よろこんで

「聞こえなかったようなのでもう一度言います、ウチのリリアを貰ってください」

「え、いや、聞こえてたけどね。急に『娘を持ってけぃ』って言われてもね」


混乱するでしょ。


「そこを何とか」

「えぇ…、今日初対面なんだけど……。ってかあなたの名前は?」


娘さんってかリリアちゃんを貰うかもしれないのに、名前も聞かずにいるのはおかしいからね。


「ああ、忘れていました、私としたら何ということを。…私はリンシアです」

「リンシアさんね。分かった。それでなんか理由とかあるの?」


まずはなぜそんな考えに至ったかの理由を知りたい。

理由なんぞや。


「理由は………、特にありません」

「huh?」


どこかの世界にいるネコみたいな声出しちゃったじゃん。


「というのは冗談で」


冗談かい。

びっくりしたなぁ。


「龍というものは、100歳を超えたら子は親離れをしなければならないのです」


へー。


「そして、この子はもうすぐ100歳を超えます」


ロリBBAじゃん。


ってかその見た目で私より年上なの!?

私まだ20ちょっとだし。

……数年前に不老になったから、私もその時から見た目変わってないけど。


「なので、貴女に預けたいのです」

「……前の文との相互関係が見つからないのはなんでだろう」


ってかそもそもの話……。


「初対面な私になんで預けようとするの?」

「それは、ここに寄ってきたのが貴女ぐらいしかいなかったので……」


えぇ…。


「だからって、私である必要はなくない?仲の良いの龍とかに預ければいいじゃん」

「すみません。他の龍たちとはいろいろとありまして……」


何やってんだか。


「そんな理由だけ?100歳になるんだったら何か無い限りそれぐらい出来そうだけど?」

「それは………そうです」


認めるんかい。


「じゃあ1人で行かせたら?私は旅の同行者をあんまり増やしたくないんだけど…」


コレは本音。

よく、旅は道連れとか言うけど、私の場合特殊だからね。


まあ、この親子は悪いことは考えて無さそうだからちょっと申し訳ない気持ちもあるけどね。



…ん?

何かリンシアさんがリリアちゃんに合図を出し始めたんだけど?


なになに?


・・・ーーー・・・?


……。


ってぇええ!!

トントントンツーツーツートントントンじゃないよ!!

自分の娘に向かってモールス信号使ってるんじゃないよ!!

SOSじゃないよ!!


もういいや。

面倒だし、さっさと観光しに行こっと。

娘に頼るような母親は良くないってか親失格だと思うしね。


ばいばーい。


「待って、お姉ちゃん。あたし、置いてかないで」


ん?


「あたし、お友達いないの」


リリアちゃんの上目遣い。

かわいい。


「セイちゃん、お友達になって?」


う、うーん。

ここで連れてっていいものか。

リリアちゃんは本心から言ってると思うけどなぁ。

あの母親がなぁ。

ちょっと頼りないかな。


「あたしからのお願い」


ん?リリアちゃんこっちきてどうしたの?

ぎゅう?


「はい、よろこんで」


抱きついてこられたら拒否できません。

可愛いし。


この子を放って置くのはなんか心が痛みそうだしね。


「じゃあ行こうか」

「うん!」


うーんいい返事。


「お達者でぇ!!」


後ろから変な声が聞こえるが無視。


ってなわけで、さっさと近くの人の集まりの所に行ってみよ。


===

あとがき

いい感じに展開が書けなかったので、打ち切りになるかもしれないです。

(この先の話の展開が難しい)

少なくとも次の更新は一週間はかかるかもしれないです。

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神格を得たけど特別なことはせずにいつも通り旅をします 野小路(のこじ) @nokoji

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