Extra episode① 名月や 隣に並ぶ 君の顔

九月十七日。

今日はどうやら、十五夜のお月見の日らしい。


俺のばあちゃんが言うには、秋の収穫に感謝をするとともに、豊作を願う行事なんだってよ。

さすが、農家のばあちゃんだ。


きっと、今を生きる若者たちは、それを知らずに月を見上げて団子を食べるのだろう。


と、いうことで。


時刻は午後七時半。

あたりはすっかり暗くなって、空にはそれはそれは綺麗な月が輝いている。

調べてみると、どうやらこれでも満月ではないようだ。


「きれいだね」

そう言われて左を見ると、そこには空を見上げるかえでがいた。


月明かりに照らされて、空を見上げるかえでの横顔にドキッとする。


「……ああ。そうだな」

そんなかえでに見とれていた俺は、返答に少しの時間を要した。


「ホントに、綺麗だ」

果たして、その言葉の対象は、夜空の月か、それとも——。



しばらく月を眺めたあとは、もちろん、二人で仲良く月見団子を食べました。



———・———・———・———・———・———

みなさん、こんにちは、こんばんは。

七星天導です。

9月も中旬だというのに、まだまだ暑い日が続きますが、読者の皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。くれぐれも体調には気をつけてくださいね。

さて、挨拶はそこそこに。

本日、9/17は中秋の名月、十五夜のお月見の日ということで、Extra episodeと銘打ちまして、お月見のエピソードを投稿させていただきました。

月を見上げる瑞樹とかえで。

かえでの「きれいだね」は、間違いなく月のことですが、瑞樹の「綺麗だ」は、果たして、月とかえで、どちらのことを言っているのでしょうか。

ここで答えを言ってしまっては面白く無いので、皆様のご想像にお任せします。

エピソードタイトルで分かる方には分かるのではないでしょうか。

それでは。

「月が綺麗ですね」と言う相手がいないことを嘆きつつ、薄雲がかった空に煌々と輝く月を見上げて。

七星天導

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

2024年9月21日 11:00
2024年9月28日 11:00
2024年10月5日 11:00

幼馴染みな後輩生徒会長と半同棲生活をすることになりました 七星 天導 @nakajin-0404

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ