7、次の時代へ

世界の片隅には水没も砂漠化もせず人工物がほぼ完全に残っている場所があった。だが、かつての都市と違い、そのほとんどが緑で覆われているというところが特徴的だ。地面は草で覆われ、ビルの壁面にさえ朝顔のつたのように植物が生えていた。だがその割には少し不自然なところもある。地面をよく見てみると道のようなものがあるのだ。獣道という可能性も否めないが、きっとそうではないだろう。これは人間たちがよく知っている。どこか遠くで楽しげな笑い声が聞こえたような気がした。

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廃都市にて 狐伯 @kohaku725

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