第1話

人といるのが辛い。

それを言うと、そんなのは単なる自分に対する甘えで、人は誰かといることによって生きているのだと真面目な人ならそう言うだろう。もしくは悩みがあるなら聞くよとかそんな言葉だろう。

僕にとってその言葉、そして誰かといなきゃとかそう思う気持ちとか全てなければと何度も思う。

何故、人といなければいけないのか、頭では分かっているし、自分の本能も多分、それを望んでいるのだと思う。

けれど、僕は本当は孤独になりたいんだと思う。

他人と言うものが理解できない。そして、いや、だからこそ僕は他人を恐れているんだと思う。

明確な敵意があったのだとしたら、距離を置いたりと、行動がまだ楽だった。

けれどそうではないのなら、自分はどうすれば良いのか、よく分からなかった。

誰かが笑っていることに対して、笑うことのできない自分が酷く嫌いだった。

誰かが悔しがっていることにくやしがることのできない自分が酷く嫌いだった。

だけれど、人とまだ関わろうとしている自分が酷く嫌いだった。

そんなふうに、誰かと関わることで自分を嫌いになるなら、いっそのことと、そう思えればいいのに...

自分が寂しいとそう思う心さえなければいいのに。

自分はいつになったら普通になれるのだろう