まどろみの朝日

@suryalunelucas

第1話

「あなたの人生は猫の見ている夢なのよ。」

夢心地に聞こえた声はそう言った。今日も1日が始まる。仕事に出る用意をしながらこれまでの人生を振り返りこのままでは猫の夢見が悪いのだろうと思い至った時、わたしは幸福になる努力と自分を愛し、誰かに愛されるための行動を始めることを小さく小さくわたし自身に誓ったのです。愛情は喜びを間に挟んで心が触れ合った時に膨らむものだとわたしは信じていたから。

愛しい猫、あなたの目覚めは最良でありますように。わたしの幸福が愛しい猫の幸福な目覚めと地続きであるのであればわたしは最良の人生に向かって歩むことのみに力を注ぐのです。


(人を恨みません。わたしはわたしの幸福を追求してそれを誰かに分け与え、それがめぐりめぐる関係を築けたら愛しい猫の寝覚めは良いのかもしれませんね。)


水道水に摘みたてのレモンの半分をスライスし、残りのレモンの果実を絞って作ったデトックスウォーターを飲みながらわたしは寝ている猫をそっと撫でた。機嫌がいいのか喉をゴロゴロと鳴らす猫に行ってきますと声をかけて玄関のドアを開けた。まるでレモン水みたいに澄んだ陽光が差し込んで、わたしはその光に身を包んだ。まるでわたしの誓いを微睡む猫が祝福してくれているかのような柔らかな朝だった。

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