エピローグ‐2

「はああぁぁぁ……」


そんな声を出した上、マヌケな顔で朝を迎えた俺。

「こんな顔を親以外の他人に見られたら一生穴に入ってやる」と考えてから反動を使ってベッドから起き、ベッド横の机においた着替えを手にとって着替える。

着替えを1分も立たないうちに終わらせてから親父の待つリビングへと向かって行く途中にある鏡で身だしなみを見てみた。


髪は寝癖でボサボサ、少し薄いがクマも浮かんでいる。

俺は「ちゃんと髪乾かしてからしっかり7時間寝よう……」とつぶやいてからリビングへと向かった。

リビングへ通じる扉を開けた瞬間に味噌汁とサバの香ばしい匂いが俺の鼻を刺激する。

そうして食欲もそそられて空腹になってしまったのでコメをよそって食卓に着席すると、親父から「寝癖を先に直してきなさい、今日は友達が来るんだろう。身嗜みはしっかりとしたものにしておけ、我が家の恥だ」と言われた。

「相変わらずお硬いな〜〜……」と考えながら洗面所へと向かって髪に水をつけてドライヤーで乾かしていつも通りの髪型に整えていく。

そしてついでに髪にワックスを付けていい感じの髪型に仕立て上げてからリビングへと戻った。

そうしたら親父が出来上がった食事を食卓へと並べ終えたようですでに座って待っていたので少し謝罪してから食事へとありついた。


「うん、相変わらず親父の飯は美味い」

「お世辞か?何も出ないことは知ったうえでの言葉か?」


そんなユーモアあふれる会話をていたらいつの間にか朝食を食べ終えていたので親父の食器をまとめて回収してから洗浄して乾燥機に突っ込んだ。

そうしていたらもう8時半を過ぎていたので高木と高村を迎え入れる準備をする。


準備をチマチマしていたら高木と高村がインターホンを鳴らしたので迎え入れる。


「いらっしゃい、どうぞ上がって」

「お邪魔しま〜〜す!おぉ、相変わらず家広いな〜〜!!」

「ほんまよ、こんな家を持つのは苦労を重ねたからやな……」

「じゃ勉強会、開催しますか!」

「おう!俺は地歴公民から……」

「へい。俺は英語」

そんな会話を重ね、勉強会を始めた。


俺の自宅で開催する勉強会は開催ごとに教科を変えて自分の弱点を他人に聞いたり親父に解説してもらって少しづつ克服していこうという感じで開催している。

だいたい休日開催で親父の病院が閉まっているときに開催するので親父は監督役をしてくれている。

そのおかげで俺達はスマホなどに集中することなく効率的な学習を展開している。

そのおかげで俺達は定期テストのたびに学年トップ10に入るほどの学力を手に入れることができた。

これは本当に親父に感謝。

親父が勉強会の開催を提案してこなかったら俺達は中学時代と同じくバカ丸出しな成績だっただろう。

そんなことを考えていると規定の休憩時間がやってきたので俺と高木はテレビを見始め、高村はイヤホンをして音楽を聞き始めた。

俺はテレビの電源を付けてしばらく待ってからテレビを見るとたまたまその日は競輪の特集番組がやっていた。

俺は「目標の参考になるかな?」と考えて見ていると、競輪や自転車競技というものの面白さを選手本人が語るところを見た。

そこで俺は考えた。


「俺、自転車競技やろうかな?向いてるかもしれない……」と。

そうして俺はそのチャンネルに釘付けになって休憩時間いっぱいまでその番組を見続けた。

そうして俺と高木、高村は休憩を終えてまた学習会へと戻っていったが、俺は「自転車競技のことをもっと知りたい。今度競輪場行ってみよ……」と頭の片隅で考えていた。

そうしていたら、朝9時から始まった学習会は夜の6時となってお開きとなった。

高木と高村は「高松(裕基)、また来週もよろしく!」と言って帰っていた。


俺は2人が帰ったあと親父が作っていた夕食を食べ、入浴してから部屋で自転車競技について調べていた。

競輪について、自転車競技の種類、必要な道具、練習方法などを徹底的に調べた。

そうしたらもう深夜の12時前になっていたので俺は部屋の電気をナイトモードにしてベッドへと潜り込んだ。


俺はきょう1日を軽く振り返っていた。

「今日は少し邪念があったなぁ、今度から気をつけよ」とか「昼3時くらいに食べた親父の差し入れのどら焼き美味かったなぁ」とか「今回の定期テストは学年1位取りたいなぁ……」などと考えていたら睡魔が襲ってきたので考えるのをやめて睡眠の方へと意識を向けた。


そうして俺は睡眠に意識を向けてから5分程度で完全に眠りへとついたのだった……

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

次の更新予定

隔週 金曜日 17:30 予定は変更される可能性があります

夢を持った少年と夢のある少女〜自転車競技で高みを目指す少年とその少年を支える少女の関係のその先〜 正雀阪神 @seramikkus

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ