柿鉄プレイ②

「頑張らなくちゃ!」

「次は空乃ちゃんのターンだね」


「あと13マスだし、また急行周遊使おうかな」

「まあそうなるよねー」

「おお、11マスでましたね・・・って近いルートで行こうとすると、赤マスになっちゃうなあ。でも今は6月だし、別に金額も高いことはないから赤マスに行っちゃいますね」


[別に赤マスでも問題ないでしょ]

[いい判断]


 そういって、ルーレットも回したが、2000万程度のマイナスで済んだので、悪くはなかったと思う。


「さて、私の番だねー。さっきお金取られちゃったし、ここで目的地着けるといいなー」

「そうですね」

「あと1マスだから普通にサイコロ振るね!・・・っと4マスかー。まあ、お金ないし青マス行っちゃおうかな」


[いいね]

[まあ悪くないでしょ]

[他のマス行っても何もできないしね]


 そういって佐奈さんは京都から5マス離れた位置の青マスに停まった。


「って大体どれも1億超えてるじゃん!」

「まあ、3年決戦ですしね」

「ここだ!・・・って9000万かー、ちょっとさっきから早くも運落ちてきてるかも」


[結果的にだいたい±0]

[まーいいんじゃない?]


「それじゃあ次はコンピューターだね」

「急行周遊使ってきましたね」


 コンピューターは残り10マス地点まで近づき、赤マスに停まったところでターンエンドとなった。金額は1000万程度のマイナスだった。


「私ですね。のこり2マスですし、そろそろ着きたいです」

「うわー着いちゃいそうだね」

「お、2マスでました・・・!」

「先越されちゃったかー」


[おー]

[おめ]

[888]


 まさか私が最初に目的地に着けるとは思っていなかったので、正直嬉しかった。目的地に着いた報酬として、約6億ほどもらうことができた。思っていた以上の金額をもらえたので少しびっくりしたりもした。


「お、貧乏もコンピューターに憑いたし、意外と良い感じじゃない?」

「そうですね」


[やっぱりさくたって弱くなったよな]

[昔はもっと無双してたイメージある]


「っと、次の目的地ですね・・・っと次は愛媛の松山みたいです」

「まあ、ほどほどに近いかなー」


「物件は・・・1億の10%が2つあるので、これだけ買っておこうかな」

「うわー金持ちだあ」


[ここ基本物件高いな]

[でも1億の10%は結構でかめな気はする]


「じゃあ、次は桃さんですね」

「あー、あと23マスかー。まあ、一番近いしいい感じかな。ここは急行周遊使っておこうかな・・・9マスかー、出は意外といいよね」


[サイコロの調子はみんな結構いい]

[まあ桃ちゃんはあんま焦らなくてもよさそう]


「うわー赤マスかー。でも7月だし大丈夫っしょ!」


 実際赤マスの金額は800万とかなり安かったので、そんなに痛くないものであったと思う。


「コンピューターの番ですね」

「あ、コンピューターカード売り場いってるじゃん!」


 カード売り場にいったコンピューターは複数のカードを買いあさってターンエンドとなった。

 そして、貧乏が憑いたコンピューターに初めてのイベントが起こる。


「あ、カード消されるやつですかね?」

「お、急行周遊飛ばされてるじゃん!ラッキーかも」


 私たちにとってはラッキーだった。とはいえ、カード売り場でカードをそこそこの数買っていたので、急行系のカードはまだ残っているはずなのであまり安心はできない。実際コンピューターから一番近いのは私なので、少し気を付けなければいけない。


 8月のターンでは、急行周遊で私が4マス、佐奈さんが6マス進んでターンが終了し、コンピューターのターンとなった。


「うわ、特急使ってきたね」

「ちょっとまずいかもですね・・・」


[まじか]

[どうなるか]


「サイコロ14マス、まずいかもです・・・」

「うわ、空乃ちゃんに貧乏憑いちゃったね」

「ま、まあコンピューターとはまだ距離をそこまで離されてはいないので・・・」


[うわー]

[まじか]

[急にさくたしてきた]


「9月になったので私のターンですね。とは言っても・・・私急行周遊しかなかったですね」


 カード一覧を見て、急行系のカードが急行周遊しかないことを思い出した私は少し頭を悩ませた。


「まあ、悩んでも急行周遊使うしかないですしね」

「そうだねー」


[しんどいな]

[まあそうだね]


「あ、ちょうど7マスでコンピューターにぴったり着くことができます・・・!」

「お、ラッキーじゃん」


[お!]

[いいね]


 幸いにもここは回って貧乏を憑けることは難しい位置なので、わざわざ私に再び貧乏を移すことはおそらくないだろう。おそらくね。


「あ、あとここは黄色マスなのでカードが手に入りますね・・・あ、持ち金ゼロカードでした」

「うわー物騒だね」


[ww]

[物騒ww]


 持ち金ゼロカードは自分か他人の持ち金をゼロにできるといったカードだ。結構物騒なカードだ。


「さて、私のターンだけどあと目的地まで8マスだからワンチャン着けるかも?」

「そうですね・・・」

「じゃあ、急行周遊使おっと・・・うわー7マスだあー」

「さっきも桃さんって、あと1マスとかじゃありませんでした?」

「そういえばそうだったかも」


[運ないのかw]

[かわいそうwww]

[着けそうなのにw]


「黄色マスか。お、北へカードだ」


[ほどほどにいいね]

[ふつうより]


 北へカードとは、使用すると北の方角へぶっ飛ぶことができるカードのことだ。北側に目的地があるときに結構便利だったりする。


 そして桃さんのターンは終わり――


「コンピューターのターンですね」


 コンピューターは急行周遊を使用して10マスを出した。そこまではよかったのだけど、なんとコンピューターは――


「え、1周回って帰ってきた・・・!?」


 あろうことか、近場の回れるところを利用して私のもとへぴったりつけられてしまった。


「そんな・・・」

「お返しされちゃったねー」


[まじかw]

[うわー]


「ってコンピューター、カードでデビルカード引いてるじゃん!」

「え!本当だ」


 デビルカードとは、毎月このカードが消滅するまでお金を一定額吸い取られ続けるというものだ。ちなみにカードが消滅するには一定期間待つか、特定のカードを使用して消すという2パターン存在する。一応例外もあるけど。


「あ、お金取られて借金した!マイナス680万だって」

「私に貧乏を憑けた罰ですね・・・」


[空乃ちゃん・・・w]

[空乃ちゃん結構おもしろくなってきたよねwww]

[草]


「さて、貧乏が憑いてしまったわけですが・・・急行周遊使いますか・・・9マス、うーん諦めて先進むしかないですかね」

「そうだね」

「って10月の赤マスは・・・いきますか」


[うわ]

[チャレンジするね]


「って急行周遊使い切っちゃった・・・ってマイナス額が10倍?!」

「うわー」

「ま、マイナス21億・・・わ、わたしもうこのゲームやめていいですか?」

「そ、空乃ちゃん!?」


[流石にかわいそうww]

[うわ]


「物件売られたからマイナス15億8000万になったとはいえ、絶望すぎるよ・・・」

「空乃ちゃん、本当に今涙目になっちゃってるじゃん!」


[かわいそうはかわいい]

[流石に絶望]


「貧乏がカード買ってきたけど、もうなんでもいいよ・・・!」


 特急カードを2倍の値で8000万買ってきたせいで、結局16億に逆戻りしちゃったけどそんなのもう関係ない。3年決戦でここからどんな風に打開したらいいの?!

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如月空乃/Kisaragi Sorano【viglow】 amega @amega_

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