完璧な美貌を持つ物のラブコメ物語

第十話 計画

大学のカフェテリアで、蓮は友達の健と向かい合って座っていた。二人はランチを取りながら、最近の出来事について話していた。

「健、昨日の読書サークル、本当に楽しかったんだ。」

蓮は目を輝かせながら話した。「九条さんと過ごせた時間が、すごく幸せで。心から温かくなったんだよ。」

健はにこやかに頷き、食事をしながら蓮の話を聞いていた。「そうか、それは良かったな。九条さんとの時間を楽しめたのは嬉しいよ。」

「うん、でも…」

蓮は少し悩ましげに言葉を続けた。「どうしても九条さんともっと親しくなりたいと思っているけど、アプローチの仕方が分からなくて。彼女には過去にいろいろあったみたいだし、慎重にいかないといけないと思ってるんだ。」

健は興味深く蓮を見つめながら、「過去に何があったのか？それによってアプローチの仕方も変わるかもしれないな。」と尋ねた。

「うん、九条さんが以前サークルのメンバーを募集したとき、彼女に不埒な目的で近づいてきた人が多かったらしいんだ。それで彼女はとても慎重になっていて、だから無理にアプローチして信用を下げるのは避けたいんだ。」

蓮は悩みながら説明した。

健はしばらく考え込むような表情を浮かべていたが、やがてひらめいたように目を輝かせた。「それなら、どうだろう。大学の図書館にはない本を探すために、書店に行くという口実は？」

「書店に行く？それは…」

蓮は健の提案に興味を示し、続きを聞いた。

「そう。九条さんも本に興味があるだろうから、図書館にない本を探すという理由で自然に誘えるし、デートという感じにもならないから、彼女の信用も下げることはないと思うんだ。」

健は自信たっぷりに続けた。

「なるほど、それなら確かにいいアイデアだね！」

蓮はその提案に感心し、「これなら自然に誘えるし、九条さんも喜んでくれるかもしれない。ありがとう、健。君のアドバイスは本当に助かるよ。」と感謝の気持ちを伝えた。

「どういたしまして。」

健は笑顔で応え、「成功するといいな。もしダメでも、また別の方法を考えればいいさ。」とアドバイスを続けた。

その日の午後、蓮は早速九条さんにアプローチする計画を立て始めた。彼は図書館にない本を探す口実で、自然に九条さんを誘う方法を考えた。

翌日、蓮はサークル活動の後、九条さんに声をかけた。「九条さん、ちょっとお願いがあるんだけど…。大学の図書館にはない本を探してみたくて、書店に行こうと思うんだけど、もし良かったら一緒に行かない？」

九条さんは一瞬驚いたような表情を見せたが、すぐに優しい笑顔を浮かべた。「そうなの？面白そうね。最近気になる本もあるから、一緒に行くのは良いかもしれないわ。」

「本当に？それならよかった。」

蓮は安堵の表情を浮かべ、「じゃあ、駅前の書店に行こうと思ってるんだけど、時間はどうする？」と尋ねた。

九条さんは少し考えてから、「駅前の書店、いいわね。時間は午後3時くらいでどう？」と提案した。

「了解しました。午後3時に駅前の書店で待ち合わせということで。」

蓮は笑顔で答え、「楽しみにしてるよ。」と続けた。

九条さんも微笑みながら、「私も楽しみにしてるわ。では、またその時に。」と言って、二人はそのまま別れた。

蓮は家に帰りながら、心の中で「健のアドバイスが役立った。九条さんとの時間がもっと楽しみになってきた。」と感じていた。彼は、九条さんと一緒に過ごす時間がさらに楽しくなることを期待しながら、心を弾ませていた。