第12話 広場

名前を書き終えたら、次は住所を書いていただけますか?」受付嬢は笑顔のまま言い放った。俺たちは再び顔を見合わせる。住所なんて、この異世界でどうやって書けと?しかし、後戻りはできない。


「えーっと……ここに住む予定なんですけど、具体的には決まっていなくて……」


俺がそう言うと、受付嬢は少し考え込んでから微笑んだ。


「では、仮の住所でも構いません。冒険者寮の住所を書いておいてくださいね」


「なるほど、そうか」と、俺はレムと共に冒険者寮の住所を書き込み、無事に登録を済ませた。


「よし、これで冒険者登録完了です!これからはギルドの一員として、様々なクエストに挑戦できます。頑張ってくださいね!」


そう言って、受付嬢は俺たちに笑顔で送り出してくれた。これで、俺たちは正式にこのギルドの一員として冒険を始める準備が整ったのだった。


ギルドから出て、俺たちは街の中を歩き始めた。賑やかな通りを進む中、ヴェルが急に立ち止まり、俺を見つめた。


「なあ、この街には一体どんな冒険が待っているんだろうな?」


俺も一瞬立ち止まり、周りの風景を見回す。魔法の光が煌めく店や、異種族が入り混じる市場の風景が広がっている。


「わからないけど、楽しみだな」


そう言って俺は微笑み、再び歩き出した。次の目的地は、街の中心にある大きな広場だ。そこには、古代の遺物が展示されていると聞いたからだ。


「レム、次はあの広場に行ってみようぜ」

「了解です!」


レムも楽しそうに答え、俺たちは広場に向かって歩き出した。街の喧騒の中、俺たちは新たな冒険に胸を躍らせながら進んでいった。


広場に到着すると、そこには驚くべき光景が広がっていた。古代の遺物がずらりと並んでいる中、一際目立つ巨大な石像がそびえ立っている。その石像は、片手に剣を持ち、もう片方の手でヒゲを捻っている。まるで、「どうだ、オレってかっこいいだろ?」と言わんばかりのポーズだ。


「なあ、あの石像、なんか存在感あるな」ヴェルがにやりと笑いながら言った。


「確かに…何か特別な力を秘めていそうだ」と俺も石像に魅了されながら答える。レムも興味津々で石像を見つめる。


その時、石像の足元に小さなプレートがあることに気づいた。プレートにはこう書かれていた:


「古代の英雄、セルフィー・キングスリー」


「セルフィー・キングスリー…名前からして英雄的だな」とヴェルはプレートを読み上げる。


「さて、広場は十分見たし、次は何をする?」レムが指差す方向には、クエストボードが見える。そこには無数のクエストが貼られており、冒険者たちが次々と挑戦している。


「よし、あのクエストボードをチェックしようぜ」と俺はヴェルとレムに声をかけ、次の冒険の準備を整えた。


クエストボードの前で俺たちは立ち止まった。様々な依頼が掲示されており、選ぶのに迷ってしまうほどだ。突然、ヴェルが一枚のクエスト依頼を指差した。


「このクエスト、なんか面白そうだぞ。『森の魔法使いを探せ』って書いてある」


「うん、名前からしてワクワクする感じだね」とレムも興味津々でその依頼を見つめる。


「じゃあ、これに決まりだな」と俺たちは一瞬で意見が一致した。依頼を受けるためにギルドの受付に向かう。


「このクエストを受けたいんですが」


受付嬢は微笑みながら答える。

「了解しました。『森の魔法使いを探せ』ですね。準備が整ったら出発してください」


こうして俺たちは新たな冒険に乗り出すこととなった。魔法使いの噂が囁かれる森の中で、一体どんな出来事が待っているのだろうか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【更新中】神様のせいで異世界(電脳空間)に来ちゃったヨ くるみXXX @kurumiXXX12

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ