第7話 三対二?
メイジさんに案内され、里のはずれの開けた場所にでた。
周りには何もなくここでなら好きに戦えそうといった感じだ。
「それでは、始めましょうか、お二人とも」
メイジさんを初めとした三人が魔力を体に循環させ始めるのを感じる。
隣に居るリアサに戦闘スタイルだけでも確認しておくことにした。
「リアサ、お前どんな戦い方してるの? 武器は?」
「基本弓と槍ね。今回はあなたのサポートに回るからあなたは好きにあの三人の相手をしていればいいわ」
なら弓を使うのかな?
俺は無手で挑むことにする。
相手は魔法を使うかの性があるが、それはマナ操作や魔力障壁でどうとでも防げる。
気楽に頑張ろうと。
「では、行きますよ?」
次の瞬間、メイジさんが一瞬で俺の間合いに入ってきて魔力の籠った拳をぶつけてくる。
それを右手で弾ぎ流し、乱れた右手を掴みにかかろうとすればメイジさんの姿が掻き消えた。
そしてメイジさんがいたはずの場所から魔力の反応。
オズさんが展開型の魔法を発動させ俺の周りが火の海と化した。
とんでもなく熱く簡単には動けない。
視界も塞がれた。
唯一空いている天空を見上げたと思った瞬間、地面からツタが飛び出してきて縛ろうとしてくる。
空と思ったら地面かよ……。
そんなことを考えながらも魔力障壁でツタを防ぐ。
マナ操作で火の海の操作権をぶんどりツタを火で燃やしていく。
すべて燃やし尽くした後、俺は火の海を解く。
すると、視える範囲には誰もいなくなっていた。
「ちょっと待てや」
言ってる傍から三方向から魔力の籠った矢が飛んでくる。
とんでもない距離を一瞬で飛んでくる矢とそれを放った人に感心しつつ魔力障壁を展開する。
矢が魔力障壁にぶつかった瞬間、とんでもない爆発が起こり、周囲が再び煙で視えなくなる。
俺は視覚に頼らず探知能力で周囲を警戒。
飛んでくる矢の数は約百。
矢の数に呆れかえりながら魔法で火を操りすべてを焼き尽くす準備をする俺。
それを知ってか、雲が急に暗くなったと思い、突然の雨。
俺は魔力障壁のおかげで濡れないが火の勢いは弱まる。
それでも何とかなるだろうと魔力を圧縮させ自分の周囲に一気に炎を展開。
飛んできた矢はすべて一瞬で灰になる。
周囲を探知し、矢の放たれた位置を割り出し分析する。
すると驚くことがわかった。
確かにローブを被った人が三人、弓を構えている。
それはいいのだが、その三人の情報を分析した結果、リアサの性格の良さに今更ながら気づいた。
三人の老人はニヤリと笑い、今まで見た中でも特別そうな矢を弓につがえ、撃ち放ってきた。
俺はちょっと楽しくなって炎を極限まで高める。
赤から青、性質が変わって黒に。
それを弓矢の形状に変化させ、三本の矢に向けて狙い撃った。
俺の青春はラブコメだけで終わらない。第二章 夜九笑雨 @fujiriu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。俺の青春はラブコメだけで終わらない。第二章の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます