第6話 結局、戦うことに。


「リアサ様、お久しぶりでございます」


三人の代表の内、灰色のローブを着た男が言った。


残りの二人はそれぞれ赤と青のローブを着ている。


「久しぶりね、紹介すると、灰色の人がここの族長でメイジさん。赤い人がオズさん、青い人がルーズさんね」


紹介してもらった三方に俺は自己紹介したあと軽く会釈した。


「リアサさま、今日はどのような用事で?」


メイジさんが基本的に話してくれるようだ。


メイジさんが先頭にたち二人を引き連れ、俺たちを里の中に案内してくれる。


「ちょっとストレス発散したくて、試合相手を用意してくれる?」


年上に見えるメイジさんに向かってこの要求。


どうなんだろと思いながらリアサの精神年齢が高校生じゃないことに気付いた。


それなりに付き合いもあるんだろうしこんなもんだろう。


「それぐらいならいくらでも……それでハルト殿はリアサ様のご友人ですかな?」


「まあ、そんなところです」


「それは良かった。こちらの世界にいるころのリアサ様には友達がいなかったものですから、向こうの世界で友ができたんですね」


「メイジさん、余計なことは言わないで」


「ほほほ!」


なんとなくリアサのおじいさんって感じがする人だなメイジさん。


「それで、誰が相手になってくれるの?」


「ふむ、ハルト殿を見る限り、とてもお強い。とても里の者では太刀打ちできそうもないのですが」


「あの、俺が戦うんじゃ──」


「それなら三人が相手になればいいじゃない」


「ですが、力はともかく三対一……」


「ならわたしが青木君側につくわ」


「なるほど、三対二で、わたしたちがハンデを貰えると言うことですね?」


「そうよ」


あの~、俺抜きに話を進めないでくれませんか?


ただリアサの実力をこの目で見たかっただけなのに、俺まで戦うことになっているんですけど。


しかもこの流れ、俺がメインで戦うことになってリアサがサポート的な位置づけになってませんか?


「リアサ……どういうことだよ」


「どうって、こういうことよ」


「なんで俺まで戦うことになってんの」


「わたしだってあなたがちゃんと戦えるのか気になってるの。だから戦いなさい」


「え~」


普段、書類仕事しているリアサからは想像できない一面。


意外とこいつも戦闘マニアだったりして。


「戦うの、好きなの?」


「わたしは特にどうとも。あなたは?」


「俺もどうも……」


「ならとにかくやるだけやりましょう。文句はそのあと受け付けるわ」


「へーい……」


ならどうやって戦おうか。


俺の戦闘スタイルはほとんど適当なんだよな。


無手の時も刀を使うこともある。


リアサの戦闘スタイルとメイジさんたちの戦い方に合わせようと思う。

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