完全な対の三角形
- ★★ Very Good!!
自分の高校生時代を思い出しつつ読んでこれほど性欲に対して貪欲ではなくもう少し億劫だったような気もするがまた時代が変われば違うのかもしれないしこれはBL的ファンタジーとして描かれているのかもしれない。
賞の選評にもあったようにエンディングが軽い印象があるが読み直すと桃のシロップ漬けが最後を締めておりその画に集約されるよう描写を刈り込むなどして印象を変える余地はあると感じた。
自分一人の身体じゃない、という表現は通常女性が妊娠した時に用いられる表現であるが男性である先生に用いられているのは、そういった世俗的しがらみが蛭のように吸い付いていることを意味しているのであろう。
主人公の二人は個別の人格というよりも互いに未分化な自己像の投影のようであり、つまり二人の関係は自慰的にもみえる。そのため先生との三角関係も文字通りの三角にはなり得ないようだ。