贖罪の境界線

774

第1章 破壊と恐怖

翔太は夜の街を歩いていた。真夜中の静けさの中で、友人たちと共に酒を飲み、ふざけ合うのが彼の日常だった。

17歳の彼にとって、夜の街は自由とスリルが混ざり合う無法地帯だった。


「翔太、次はあの店にしようぜ!」と友人の一人が言った。

目指したのは、街外れにある小さなコンビニ。

翔太の心臓が少し早く鼓動するのを感じたが、それが恐怖からか、期待からかは分からなかった。


「ガラス割ってやろうぜ!」と別の友人が叫び、手に持った石を振りかざした。

その瞬間、何かが翔太の中で引き裂かれるような感覚がした。

石はガラスにぶつかり、粉々に砕け散った。深夜の静けさを引き裂くような音が街に響き渡り、その音は翔太の耳に深く刻まれた。


笑い声が響く。友人たちは、まるで何事もなかったかのように楽しそうに笑っている。

しかし、翔太の心は冷たい汗で濡れていた。

恐怖が背中を這い上がり、彼の心を締め付けた。


「中に入ってみようぜ!」と誰かが言った。翔太はそれに従うしかなかった。

彼らが怖かった。逃げ出すこともできず、ただ流されるままに、彼は店内に足を踏み入れた。


店内は暗く、静まり返っていた。棚に並ぶ商品がまるで彼を見つめているかのように感じた。

翔太は震える手で商品を掴み、それをポケットに押し込んだ。その行為が、彼の心に深い傷を刻んだ。


「やばい、帰ろう!」友人たちは商品を盗み終えると、再び笑い声を上げながら店を飛び出した。

翔太も後に続き、暗闇の中へと消えていった。しかし、その笑い声は彼の心を冷たく打ちのめすだけだった。


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