真妹論 〜妹とかいう崇高なる概念〜

反×宮

妹なんて本当は存在しないんじゃないか?


 ハロー。こんな怪しいタイトルを見て開こうと思った奇特な感性の持ち主さん。

 ふふ、冗談ですよ。とりあえずあなたの人生にとって有限な時間を僅かにでも割いてくださり誠にありがとうございます。


 大丈夫、損はさせません。きっとこのエッセイを読み終えた後、あなたの世界は変わって見えるはずです。少なくとも世界を広げたいと言ってモラトリアムに海外旅行へ行くようなアホよりはマシな体験ができるはずです。世界とは内側に広がっているのです。どこへ行こうと心が豊かでなければ、何を見た所で得られるものなど無いに等しいでしょう。心が変われば見方が変わり、見方が変われば世界が変わります。趣味が一つ増えるだけで、新たなアンテナが立ち、今まで気にも留めなかった店や地域、人など、日常に見える様々な景色が新鮮に映りはじめます。だから自分探しの旅なんてする暇があったら、まず心のフィルターを掃除しましょう。

 ってあちゃー。うっかりマリアナ海溝くらい深い話しちゃった☆

 次回からは気を付けなきゃ!って反省しつつも本日はこの辺で!来週もよき妹ライフを願いながらカクヨムの底より愛を込めてよろしくステイチューン。



 …………。

 いや、ほんとすいません(土下座×69)

 チンピラ風に言い訳していっすか?いっすよね?あざーす。

 いやね、実は筆者コロナかかってんのね。喉とか色々死んでるワケね。それでも伝えたいことがあるから決死の思いで筆とったワケ。だからそのぉ、なんつーかぁ、気概は買って欲しいっつーかぁ、大目に見てくんねーか?なあ?……え!許す?マジ!?ありがとう!!!!

 アンタ漢だわ。組長に言ってうちらの組入れてやんよ!


 以上、言い訳でした。

 そして実はここまでの駄文で、あなたがこの先の真理を読み解くに値する人間かどうかを試させていただきました。少なくともこの時点であなたがDNAの塩素配列レベルでブラバが癖になっているマンボウ読者ではないことは明らかです。だってこれほどのストレスに耐えられたのですから。おめでとう、選ばれし民よ。



 ──妹。同じ親から産まれた年下の女性。

 これは一般定義である。問題はオタクにとっての二次元的妹についてだ。

 いるな、いろんな妹。あなたの頭にも、きっと今なんかのアニメorエロゲキャラが浮かんだはずだ。

 妹は大きく二つに分けられる。実妹と義妹。後述するが、この二つはTHCとCBDのような関係だ。分からなければスルーでヨシ。

 んじゃまず義妹から語っていきますか。ヒュウィヒュウィゴー。


 大抵の場合、創作物に於けるヒロインポジの妹は義妹である。なぜか。答えは簡単。結婚できるから。素晴らしいですね。以上、閉廷。


 ……上告っ!!

 

 結婚したいならそもそも妹選ぶなってハナシメーン!

 禁忌と向き合う覚悟もないのに妹好きって矛盾してると思わないかねワトソンくん。

 これは筆者の憶測なのだが、実妹派は体感より多いのでは無いだろうか。隠れトランプ支持者的な感じで。というのも、そもそもなぜこうも義妹が普及したのかって話。


 2000年代。サブカルチャーの最先端は常に美少女ゲームが担っていた。その頃、当然ヒロインにも妹キャラがいたのだが、ソフ倫からの規制により、近親者同士の性描写ができなくなってしまったのだ。故に妹キャラは義妹にせざるを得ず、いにしえのオタク達の脳味噌に"妹キャラ=義妹"の先入観が刷り込まれてしまったのである。規制が解除されてからも、義妹作品の方が圧倒的に多く。実妹は需要的なリスクの高さから息を潜めがちであった。

 倫理的にOK。リアル妹持ちも享受でき、人を選ばない。妹の可愛さを備えた他人。家事も料理もできて実はイトコで敬語で話すロボットだろうがなんでもあり。詰まる所、義妹の方が無難なのだ。

 ……だけどこれ、ホンモノか?

 否、もはや新概念だろう。二次元に特化したご都合主義的存在。妹とは本来実妹のことであり、義妹は妹ではない何かだ。

 誤解を招きそうなので断っておくと、筆者は義妹を否定したい訳ではない。あくまで本質。妹の本質を説きたいと思っている。ただそれだけである。

 それでは、実妹の話をしようか(マッテマシタ!)


 実妹の最大の特徴は、やはり血の繋がりであろう。これは最大の長所であり短所でもある。実妹を取り扱った作品の多くは、近親としての禁忌とカルマから逃れることはできない。周囲からの不理解。法律の壁。実妹と添い遂げようと思ったら面倒な問題が山積みだ。

 だが、だからこそ……だからこそっ!それでも愛し合う気持ちこそが"ホンモノ"だと言えるのではないだろうか!

 打算や損得勘定が介入してはあり得ない。絶対的純愛。実妹を愛した兄には、全てを捨てる覚悟が求められる。これこそ実妹物の醍醐味であろう。

 ヨスガにソラりまくってとっくに脳の回路が焼き切れている筆者的には、共依存についても語り散らかしたいところだが、本題とズレてしまうのでやめておく……やっぱちょっと語る。


 相手に必要とされることで自分の存在価値を見出して、お互いに依存し合う関係を共依存と呼ぶ(学術的にはもっと複雑)

 これが兄妹関係で構築された時の尊さと言ったらもうね、ポゥ!

 そんなワケで、共依存は非常に妹と相性が良い。ビールと鶏軟骨唐揚げくらい良い。

 はやれっ……共依存もっとはやれっ……!

 

 話を戻すと、実妹物では禁忌とどう向き合うか、全てを天秤に掛けて導き出す主人公の答えと、その落とし所が重要だ。何もかも捨てて二人で逃避行。一定期間だけ恋人になって元の兄妹に戻る。周囲に隠しながら関係を続ける、心中など、他にも様々なパターンがあるだろう。そもそもなんだかんだ許される義妹より、実妹、実兄に恋愛感情を抱くことに対する葛藤がもう深いよね。

 正直、妹の無辺際の魅力を語るには筆者の乏しい筆力では明らかに不足であり、よってこれ以上の悪あがきはやめにしようと思う。


 ここまで妹の定義と魅力について軽く語ってきたが、筆者が伝えたいのはそんな単純なテーマではない。

 結局何が言いたいの?結論マダー?なげぇよタコ!と、文句を言いたくなるあなたの気持ちを華麗にスルーしジェノサイド。さぁ、ここからが本番だ!


 散々実妹こそが正義であるみたいな事を言っておいてなんだが、リアルの実妹と二次元の実妹が違うのもまた事実。リアル妹は兄に恋なんてしないし、兄は妹に恋しない。このことに関する面白い話がある。


 あなたは、"ウェスターマーク効果"という心理現象をご存知だろうか。簡単に説明すると、幼少期を一緒に過ごしてきた相手には性的興味を持ちにくくなる現象である。つまり実妹義妹問わず、共に育った時点で恋愛対象からは外れるということだ。(幼馴染に負けヒロイン率が高いことにも説明がつく。ちゃんと現実でも不利なのだ!)

 ここで面白いのが、ウェスターマーク効果は近親姦を抑制するためにある心理現象だが、逆に、血は繋がっていても幼少期を一緒に過ごしさえしなければ、普通に恋愛対象になってしまうらしいのだ。実際、実の父親と知らずに自然と出会い恋人になっていたり、生き別れの姉を好きになって告白してしまった例などがあるって話だ。しかも、近親者の方が性格的な相性は良いらしい。


 よって、リアルに殉じた実妹キャラを描くのならば、少なくとも思春期に入ってから生き別れの妹と再会するなどのシチュエーションを用意する必要があるということだ。創作物に登場する妹達は、ほぼほぼこのウェスターマーク効果を無視している。やはりニセモノである。実妹すら、リアルではない。


 じゃあ、オタク達が言う妹ってなんだ?

 妹萌えってなんだ?

 リアルの妹としてあり得ない概念を妹と呼んでいいのか?

 この世に存在しない妹ベースの何か。分からない。頭がおかしくなりそうだ。

 みなさん、これがコロナです。


 あなたにとってホンモノの妹とは何か、今一度考えてみて下さい。既存の価値や言葉に捉われてはいけません。すべては視野狭窄です。

 筆者もそのうち妹ラブコメ界隈に一石を投じるつもりですので、楽しみにせずテキトーに待っていて下さい。どうせ忘れてます。筆者も忘れてます。優柔不断なんです。

 なんかもう満足したのでこの辺で締めたいと思います。わざわざこんな駄文を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

 てかむしろ罪悪感湧いてきました(笑)

 それではみなさん、またいつか☆


 ──全ての兄に、光を!


  ──全ての妹に、未来を!


   ──全ての兄妹に、祝福を!
















 リアル妹持ちは死ね、豚小屋で。




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