気合いと根性では解決しないうつ病治療の真実
星咲 紗和(ほしざき さわ)
本編
私はうつ病を患っています。発達障害も抱えているのですが、うつ病の診断が降りた時には、心の中で何かが崩れ落ちたような感覚がありました。原因が何かと問われると、自分でもはっきりとは答えられません。しかし、恐らくは就職活動時代に無理を重ねたことが一因ではないかと思っています。
その頃、毎日のように「できない」と言われ続け、上司からの罵倒が日常茶飯事でした。学生時代からもずっと、馬鹿にされたり、罵倒されたりを繰り返してきたことが、気付かないうちに自分の中で生きづらさを積み重ねていたのだと思います。
うつ病を患ってからは、楽しみを感じることがほとんどなくなりました。どんなことに挑戦しても楽しくなく、しんどさが常に心の中に居座っていました。最も酷い時期には、お風呂に入ることさえ嫌でたまらない日々がありました。無気力に襲われ、ただただ塞ぎ込む日々を送ることもありました。そして今でも、突然しんどさや不安定さが襲ってくることがあります。
「気合いが足りない」「根性がない」「努力が足りない」――そんな言葉を何度も耳にしましたが、正直言って、根性や気合いでは何も解決しませんでした。むしろ、そのような言葉は重圧となり、プレッシャーとして私を追い詰め、病状を悪化させる原因となりました。定職に就けずに苦しんでいた時期には、親戚から根性論を押し付けられることがありました。その度に嫌な気持ちになり、今でも会うと「これをしろ!」「あれをしろ!」といった言葉が飛んできます。
うつ病の治療には時間がかかると医師からも言われています。ゆっくりと少しずつ、ひとつずつ、改善を目指して、長い時間をかけて治療を行うことが大切だと感じています。無理をするとすぐにダメになるので、負担をなるべく減らし、周囲のサポートを受けながら地道に治療を進めていくしかありません。根性論は一見すると頑張っているように聞こえますが、実際には多くの無理が強いられる現実があるのです。
うつ病の治療は、心の平穏を取り戻すための長い旅路です。その道のりには、気合いや根性ではなく、理解と共感、そして少しずつ前進していくための努力が必要です。根性論に縛られることなく、自分自身を大切にしながら進んでいくことが、私の今後の課題でもあります。
気合いと根性では解決しないうつ病治療の真実 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92
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