第2話 出会い

「お酒も揃ったし、乾杯しよ!」


 リーダー的な立ち位置の男性の合図でその場にいた私を含め6人は持っていたグラスで乾杯した。


「まずは自己紹介からしよっか!

 オレは光星こうせい大学2年生の松野 康介まつのこうすけデッス。 ちなみに彼女募集中です!」


 金髪のチャラそうな男性は言った。


「僕は光星大学3年生の早乙女 拓哉さおとめたくやです。 どうぞよろしく」


 茶髪の眼鏡をかけた男性が笑顔で言った。


蘭月らんづき高校2年生、如月 蒼依きさらぎあおいです」

 

 黒髪の静か系な少年が言った。


「はい! 私は明宙あそら専門学校1年生の紫籐 詩穂しとうしほです!

 将来は美容師志望です! どうぞよろしく!」


 伊織の友人である詩穂さんはすごく綺麗な人だった。


「明宙専門学生1年生の橘 伊織です。 デザイナー志望です!」


 伊織は笑顔で言った。


「こ、光星大学1年生の皇 澪華です。 きょ、教育学部です」


 私はぺこりと頭を下げた。


 緊張しすぎて心臓バクバクなんだけど!!

 始まったばかりだけど早く終われ!!


 それから詩穂→康介、伊織→拓哉、澪華→蒼依で話を始めた。


 き、気まずい…伊織たちは楽しそうに話してるけど私達は自己紹介から

なにも喋ってない…。 てか、蒼依くんって高校2年生って言ってたけど私よりしっかりしてそうだし、年下には見えないんだけど。 てか、ここは年上の私が話しかけないと!!


「あ、蒼依くんはな、なに飲んでるの?」

「烏龍茶です」

「烏龍茶って美味しいよね」

「はい」


 話がすぐに終わっちゃう!!

 絶対こいつ社会不適合者って思われてる…。


「澪華さんって光星の教育学部なんですよね」

「う、うん。 そうだよ」

「やっぱり試験って難しいですか?」

「私の代は倍率が高かったから結構難しい試験だったって言ってたよ」

「やっぱりそうですよね」


 私の代はいつも倍率が高い羽雪うせつ大学よりも私が通っている光星大学の方が倍率が高く、人気だった。


「蒼依くんも光星大学を目指してるの?」

「はい、同じ教育学部志望です」

「そうだったの!? 一緒だね!!」


 蒼依くんが通っている蘭月高校は超進学校だし、見た目も頭良さそう。

 関係ないけど、顔もイケメンって絶対言われるぐらいの美形だもん。

 絶対モテる逸材だわ。


「色々話聞いてもいいですか?」

「うん。 私でよければ…」


 私達は光星大学について話していた。


「もう時間だし、そろそろお開きとしますか」

「そうだね」


 私達は居酒屋を出て、解散となった。


「伊織さん、例のものは?」

「ちゃんと用意してるよ」


 伊織はカバンからチケットを取り出した。


「ありがとう!! このチケットのために頑張った!!」

「来てくれてありがとね」


 私と伊織は駅に向かった。

 ちなみに、詩穂さんは意気投合した康介さんと二軒目に行ったらしい。


「あ、あの」


 私達は聞いたことのある声がして後ろを振り返るとそこにはさっきまで一緒にいた

蒼依くんと拓哉さんがいた。


「蒼依くんと拓哉くんじゃん。 どうしたの?」

「実は蒼依が澪華ちゃんの連絡先聞いてないって言ってたから聞きにいくぞっていう ことで追いかけてきちゃった。 僕はそのつきそい!」


 伊織の質問に拓哉さんが笑顔で答えた。


「あ、あの連絡先交換しませんか?」


 蒼依くんはスマホを持って、私の前に来た。


「わ、私でよければ!」


 私はスマホを取り出し、連絡先を交換した。


「じゃあ、また一緒に飲みに行こ!」


 私達は別れ、それぞれの家に帰った。


 斗希様のチケット手に入って良かった!!

 イベントまで楽しみすぎる。

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10分の1の奇跡と愛 @yuyu77

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