10分の1の奇跡と愛

@yuyu77

第1話 恋愛とは…

 僕達はここで出会い、ここで変わっていく。


「僕、君と出会って人を好きになる幸せと怖さを知った。

 それと同時にこの人だけは失いたくないって想うこともできた。

 この気持ちはずっと変わらない……だから、僕とこの先もずっといてください。」


 少年は少女を抱きしめた。


「私もずっと、ずっと一緒にいたい。 

 彼女として一緒にいてもいいの…?」


 少女は今まで堪えていた涙を流した。


「うん。 大好きだよ」

「私も大好き!」



               ーーーーーーーーーーーー




「よかった!! 二人共、結ばれて本当によかった!!」


 私「皇澪華すめらぎ みおか」はティッシュを何枚も取り、涙を拭いた。

 

「今回も椿くん、かっこよくて素敵だった!!」


 私の大好きなアニメ「10分の1の奇跡と愛」の主人公である「城木椿しろき つばき」くん。

 顔もイケメンだし、声も素敵な少年であり、私の大好きな人だ。

 椿くんのおかげで私の毎日は幸せです。


「みおー、ご飯できたよ!」


 私の部屋に入って来たのは金色のつややかな髪を1つに結び、白のワンピースを

着ている女性だった。


「お姉ちゃん、帰ってきてたんだ」


 この人は私の大好きな超絶ちょうぜつ美人の姉「皇星華すめらぎ きらか」だ。


「あんたは相変わらず高校のジャージに丸眼鏡…」

「これが一番楽だし、今日はなんもない日だもん」

「そうだけど…」

「そんなことよりご飯、ご飯」


 私達は階段を降りて、一階のリビングに向かった。


「今日のご飯って何?」

「今日はすき焼きにしちゃった」

「わーい! すき焼き大好き」


 私は椅子に座って、お母さんが作ったご飯を食べた。


「最近、太りすぎてえてる…」

「何キロ太ったの?」

「2キロ」

「2キロ太っただけじゃん! 全然わかんないよ」

「変わるわよ!! 前着れていた服も着れなくなるのよ?」


 私の姉は今大人気のモデルであり女優活動もしている。


「それは大変だわ」

「お母さんなら分かってくれるよね?」


 姉と母が話ているのを見ながらご飯を食べているとスマホが鳴った。


「ちょっと電話ででくる」


 私は立ち上がり、リビングを出た。


『もしもしー、今大丈夫?』

『うん、大丈夫だけどどうしたの?』


 電話の相手は私の数少ない友達であり、親友の「橘 伊織」たちばな いおりだ。


『今日さ、合コン開こうと思うんだけど行けるよね?』

『え? 絶対行きたくないんだけど…』


 合コンなんて私が一番場違いな場所だよ!!

 仮に行ったとしても私、空気扱いだよ!!


『一緒に彼氏作ろうよ!!』

『現実の彼氏はいらない…』

『来てくれたら澪華がハマってるアニメの声優イベントのチケットが当たったから

 あげるよ』

『すぐ行きます!!』

『よかった。 今日の20時に居酒屋ね』

『了解です!』


 私は電話を切った。



 きゃあー!! 椿くんの声優様である「夢橋 斗希ゆめばし とき」様に会えるなんて神すぎる!! 今まで生きてきて良かった!!


 私は嬉しさをグッと堪えて、リビングに戻った。


「なんかあったの? 嬉しそうだけど」

「実は今日、伊織と合コンに行くんだけどそのお礼に私の推しである斗希様にあえる

 チケットをくれるらしいの!!」

「合コン!? 着ていく服とかは決まってるの?」

「適当でいいでしょ」

「だめ!! 合コンならちゃんとした服着ていかないと! 私の服貸してあげるから」


 そう言うと姉は私の手を引っ張り、リビングから姉の部屋に向かった。


 やる気スイッチの入った姉は服を選び、メイクから髪の毛まで可愛くしてくれた。


「あんたは元がいいからちゃんとすれば美人なの! なんでしないかなぁ…」

「私の人生は推し様に捧げるって決めてるから!! 推し様のイベントの時もお願い

 ね!」

「仕事がなかったらね!」


 私はそれから伊織と合流し、合コン会場である居酒屋に向かった。

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