シナリオ+ポエム融合日記「家路〜帰るべき処(ところ)〜」

Fight for Judgment

2024年8月28日「赦されざる者たちに悪魔のレクイエムを」

◯いつかのあの娘と見た夕焼けの中(夕)

名もなきいつかの青年(108歳)が、新築の一戸建て住宅を、豆腐の角で破壊しながら、一冊の本を見つめている。

名もなきいつかの青年「俺の人生を、いい意味でも悪い意味でも変えてくれた名著、だよな・・・」

豆腐はいつしか高野豆腐のように硬くなり、新築の一戸建て住宅に住んでいた、さまよえるオランダ人たちは、高野豆腐の中で日本刀や拳銃やショットガンなどの武器を「楽器に変えて」、ノクターンを奏で始める。


◯南極・令和基地(昼)

ロシア軍に侵攻を受けた、南極の令和基地は壊滅寸前だが、基地の外国人プロレスラーたちは、裸のまま、ロシア軍にきんぴらごぼうを投げ続ける。

名もなきいつかの青年は、氷山の上から、空中で爆発する北朝鮮のミサイルの爆光を見つめる。

名もなきいつかの青年「俺が生まれ変わるには”儀式”が必要だ! 俺の青春のバイブ

ルを破壊する!」


◯火星・人口ピラミッド内部(夜)

火星の人口ピラミッドの中は、たくさんの日本人旅行客で溢れかえっている。

日本人旅行客たちは、自らの眼玉を自らえぐり出し、美味しそうにしゃぶっている。

名もなきいつかの青年は、額にある「サードアイ」、第三の眼球をもて遊びながら、「名著」にライターで火を点ける。


◯山梨・富士山搭乗口(朝)

名もなきいつかの青年が燃やし始めた「名著」は、富士山の噴火を誘発し、そのマグマは、3丁目の角のタバコ屋のおばあちゃんの入れ歯のように、生温かく融解を始め、名著は本当の意味での「大名著」となった。

名もなきいつかの青年「俺は、俺自身のポリシーと一体になったのだ!」


◯いつかのあの娘が去っていった夜の中(夜)

名もなきいつかの青年は、108歳から「15歳」にまで若返り、去っていったあの娘は、名もなきいつかの青年の鼓膜に「激しい喘ぎ声」を浴びせ続ける。

名もなきいつかの青年「お前と出会ったのは19歳の時だよ!? 消えろ! 幻聴!」

いつかのあの娘は、爆散と収縮を繰り返しながら、コンビニのATMの中に消えていった。


◯ケニア第三中学校・正門前(昼)

学ランに身を包んだ、名もなきいつかの青年、いや、少年は、中学校の校門の前で表情を引き締める。

名もなきいつかの少年「名著という”呪い”を封印して、俺は生まれ変われた。15歳から、やり直してやるさ!」

中学校のグラウンドでは、無数の女学生たちが、教師たちに肉体を販売している。

脇目も振らずに、名もなきいつかの少年は、中学校の校舎を「またぎ」、巨大化を続け、やがてその頭部は、入道雲の中へ消えていった。

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