第25話 普通のカップ焼きそばが1番美味い
「ふう、ただいま~っと。久々におうちごはんだわ」
こんばんは、ヘンリエールです。
本日、わたしが働いている商業ギルド『カゼマチ食品』であるものを大量に頂いてしまい、しばらくは外食しないでこれを消費していこうと思います。
〝ペヤンキー・カップ焼きそば、スタンダードカップ。24個入〟
というわけで、本日のごはんはカップ焼きそば24個でーす。
「いや食えるかい」
これ小売店とかに卸す用のやつだよね。
さすがに食べ切れないよこんなの。
「イセザキさんめ、まんまと騙されたわ……」
『カゼマチ食品』で経理事務を担当しているイセザキさんから貰ったのだけれど、最初は『カルマ食品から大量にいただいたのでおひとついかがですか?』って言われたのよ。あ、『カルマ食品』っていうのはこのペヤンキーシリーズを作ってる商業ギルドなんだけど。
それでありがたく頂いたら、ひとつじゃなくてひと箱だったってわけ。
「まあ、激辛のやつじゃないから良かったのだけれど」
イセザキさんは激辛料理が大好きで、以前貰って食べたペヤンキーの激辛マックス味は本当にやばかった。
特に食べた翌日のわたしのおしりが。
「とりあえず、ひとつ食べてみようかな」
お湯を沸かして、フタを半分剥がしたカップの中に注いで……
「この乾燥野菜は先入れ……ソースは後ね」
料理ができないわたしでも流石にカップ焼きそばくらいは作れるようになったのよ。どう? 偉いでしょ。
「この砂時計が全部落ちたら……よし、お湯を捨てるっと」
湯切りは慎重に。ここは低確率で失敗する可能性があるの。
「……ふう、うまくいった。これはもうプロの料理人も顔負けの湯切り具合だわ」
蓋を全部剥がして、ソースを入れてよく混ぜたら……完成!
「おっと、いけないいけない、青海苔ふりかけも入れないと」
カップ麺は普通のお箸じゃなくて割りばしで食べるとより美味しいってイセザキさんが言ってたので、割りばしも買ってきた。
とはいえ、まだお箸を使い慣れていないから本当はフォークがいいんだけれど。
「よし、それじゃあ早速食べてみよう。……これは本当に辛くないのよね?」
イセザキさんが大量にもらったカップ焼きそばの中で、『これは辛口じゃないからあげる』と言われて貰った物なので、多分大丈夫だと思うんだけど……
「うう、激辛マックス味のトラウマが……森羅万象の恵みに感謝を。いただきます……ずずず」
…………。
「うん、うん……うん! 美味しい!」
ドロドロのソースが、このちょっとパサパサな麺に良い感じに絡みついて、お店の料理よりもジャンキーな味だけどなんだかクセになる。
そしてなにより……
「辛くない! 普通! 普通に美味しい!」
最初に食べたのが激辛マックス味だったのが良くなかった。
まずはこのスタンダードなやつを食べておくべきだったわ。
「マヨネーズとかちょっと入れてみよっかなあ」
わたしは夢中になってカップ焼きそばを食べ進めた。
―― ――
「ふう、ごちそうさま……ん~、ちょっと物足りないかも」
もういっこ、食べちゃおうかな。
「これなら意外と1箱すぐに食べちゃうかもしれないわね」
太らないように気を付けないと。
…………。
……………………。
やっぱ普通のが1番美味いよな。
【ペヤンキー・カップ焼きそば/スタンダードカップ】
・お店:カップ焼きそばだから知らん。
・値段:イセザキさんから貰った。
・料理:普通に美味い。もうちょっと野菜が欲しいかも。
ヘンリエール的総合評価:75点。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます