第9話 祖母とソロバン

小学生になった。

ランドセルは叔母が買ってくれた。


私はさっぱりと学校の意味がわかってなかったようだ。

勉強をするところと言う認識が欠如していた。

国語のテストがあった。


ブランコが前へゆれる

前のはんたいのことばをかきましょう。

答え

へえま


全問、このパターンの答えを書いた。

祖母は担任の先生に呼び出された。

その後、名古屋の叔父、叔母が集められ

親族会議になった。


つまり、この子は足りないのではないか?

学校でも落ち着きと言うものがまるでなかったらしいのも問題にあがった。


私はふざけて書いたのか?と問い詰められた。

「だって、、。反対からだから、、。」


叔父や叔母はやはり、この子は、、。

と思ったらしいが、祖母は手先が器用だし

祖母の手伝いもできるので、心配はいらないと

言い放った。

祖母はいつも味方になってくれた。


どうも、叔父や叔母は私が足りない子なら

そういう子供の施設に入れた方がいいと

話してたらしかった。

祖母が大変になるのも心配したのだろう。


祖母はそれからは、勉強を教えてくれた。

ふたりで国語の本読みをした。

ソロバンも教えてくれた。


おかげで、少しは物がわかるようになり

疑惑ははれた。


しかし、落ち着きの無いのは治らなかった。

今も落ち着きは身に付いて無い。



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祖母と鈴虫 菜の花のおしたし @kumi4920

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