創作もやもや話
こんにちは、邑樹です。
久々に創作論を書きたくなったので書こうと思います。(小泉構文)
というのも、X(旧ツイッター)でいろいろ見ているうちに、なんなんだこりゃと思うものが目についてしまったからです。
いちおうXでも吐き出しはしたのですが、どうせだったらちゃんと創作論としてまとめてしまおうということで筆を取った次第です。
つまり、本稿は邑樹の愚痴みたいなところがあるわけですが、お時間あればおつき合い頂けますと幸いです。
それでは適当に番号を振りながら一つずつ振り返っていきます。
① 筆の速さは何処まで重要か
これはとある方が小説を書く上で最も重要な才能は「筆の速さである」といったことについての話です。
その方は筆の速さが速ければ速いほどの努力の効果も三倍になる(成長速度も三倍になる)し収入にも直結すると仰られていたのですね。
最もな話だと思います。
僕は別に「最も重要な才能」とまでは思いませんが、あるに越したことはない才能だと思います。
ただ、何故かこのポストについてわりと否定的な意見のコメントがけっこうついていたんですよね。
おまけにその中には実績を持つプロ作家さんもいて、その方は「一週間で500文字とかザラです……」みたいなことを仰られたりしていたのです。
おいおい、マジかよ……と思いましたね。
だって、プロの実績を持つ方ですよ? もしこの方が一日に1000文字しっかり書ける才能を持っておられたら、収入増加に繋がる確率は高まりますよね?
本業がめっちゃ儲かるのでしょうか。
実績がすでにあるということは、つまり「筆の速さ」以外をすでにお持ちであられるということです。
そして、それは我々無名な作家もどきよりも遥かに「筆の速さによる恩恵」を享受しやすい環境にあるということでもあります。(上記したように、単純に収入の増加に繋がりやすいので)
そんなすでに才能にも環境にも恵まれた状態にある方が「わたし筆遅いんですよぉw」みたいなこと言ってる状況には、率直に言って「もったいねえ。その恵まれた環境を今すぐ俺によこせ」と思ってしまいました。
作家として成功するうえで筆の速さが最も重要であるとはかぎりません。
現に上で例に上げたように筆が遅くとも実績を残されている作家さんはたくさんおられることと思います。
ですが、速いほうが有利です。速いに越したことはありません。
筆が速いことで駄作ばっかり量産すると駄作メーカーとして名が売れて自分の首を締めるというような意見もありましたが、それは「筆の速さ」という才能を活かせていないだけで能力に罪はありません。
速さは力です。非常にシンプルなことです。
それくらい分かれよ……と、ついつい思ってしまったため、こんな愚痴を書いてしまった次第です。
あ、ちなみに僕は筆に関してはめっちゃ速いです。あはぁは。
別に筆の速さを誇りたいからこんな記事を書いたわけではない! 断じて!
② 改行のタイミング問題について
とある方々が小説における改行について語っていたのを目にしたのです。
曰く、改行は文章のまとまりで行なうべきである。
曰く、一文でどんどん改行していくのってなんか意味あんの?
といった感じです。
……分かれよ! 空白をいっぱい作るために決まってんだろ!
ライトノベルという言葉が定着するよりも前は、必ずしも一分改行が主流だったわけではありません。
ただ、そういったティーン向けのファンタジー冒険小説はすでにその頃から一文改行を行なう作家が多数おられ、この手法がライトノベルの間口の広さに貢献していたことは純然たる事実です。
だって、ライトノベルを読むような層って、そもそも本来的には活字なんて読みたくないんですよ。
漫画やアニメで済むならそっちで良いって人が大半なんです。
僕のような子どものころから児童文学に触れていた生粋の活字好きですら、ラノベのあのサクサク読める感覚にはまったく別の楽しさがありました。
漫画のようにサクッと読めるのがラノベの良さなんです。
一文一文ごとに行が進んでいって、気づいたらどんどんページが進んでいく。
実際は大した文字数を読んでいないのに、わりといっぱい読んだ気になる。
もちろん、少ない文字数で物語を進めなきゃいけないから自然と話のテンポも漫画的アニメ的な速さで進んでいく。
それが一般文芸とラノベの間にある最も大きな違いなんです。
最近、ライト文芸なんてジャンルを目にする機会が増えました。
僕が若い頃には存在しなかったジャンルです。
「ビブリア」が決起となってライトノベルと呼ばれる中にも文芸よりの作品が進出してくるようになった結果、ライト文芸という新たなジャンルの確立に繋がったのかなと思います。
最近は「薬屋」あたりがライト文芸にあたるんでしょうかね?
僕は拝読したことがないのでよく分からないのですが……。(基本、女性主人公の作品は読みませんので。すみません)
ともあれ、だからこそ、僕は憤りを感じてしまったのです。
住み分けろ! わざわざライト文芸というジャンルまで作ってラノベと文芸を切り分けたのだから、文芸文学作品の常識をラノベ界に持ってくんな!
――と、僭越ながら申し上げたい次第であります。
実を言うと僕もこういった思想に被れていた時期がありました。
ラノベを下に見て、小説である以上は本来の文章作成の体裁に則って文章を作るのが重要なのではないかと思っていたわけです。
ただ、やはりライトノベルというのは独特な文化なわけですよ。
小説という体裁こそ取っていますが、その本質は漫画やアニメに近いわけです。
さらにWeb小説ともなればもっと先鋭化していきます。
改行どころか段落すら気にしていない作家もおられ、そう言った作品が普通に大人気だったりするわけです。
住み分けましょう。割り切りましょう。
小説としての体裁や公文書を書くうえでの常識というものは、知識として知っておく必要はあると思います。
しかし、それをどう利用するかは作者の裁量次第です。
逆にそう言ったことでツッコミを受けたら「いや、知ってるけど敢えてやってるんで」というくらい余裕で受け流してあげれば良いと思います。
けっきょく、読者に評価されてるほうが強いです。
つまり、今のところ僕は弱い! 誰か僕を強くしてください!
といったところで、いい感じにオチもついたので(ついたか?)、今回はこのへんで!
創作徒然四方山話 邑樹政典 @matanori
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