ある夏の日Keepメモに既読が付いたあの21:28から、君はいなくなった。
ノマテラ鉢巻き石火ハッサム
8月7日 既読 1 [立秋の夏休み]
「じゃあ、また今度ね。」
「うん、また今度。」
彼女はそう答えた。
夏の橙色の夕暮れに染まる彼女の顔は、どことなくいつもより綺麗に見えた。
そんな事を思いつつ、お互い背を向け歩く。
僕はこの場所がきらいだ
この十字路は、いつも僕達を引き裂いてしまう。
俺こと
振り返って心臓目掛けて、弾丸を撃ち込められないか心配だ。
なんて、砂だらけの洋画の見すぎで、おかしくなってるだけに過ぎなかった。
そんな一歩二歩と下がれば、明日をすぎれば夏休みなのを思い出す。
立秋とも言うべき時期に夏休みが始まるのは、やはり違和感でしかない。
ただ、立春よりかは僕にとって縁起が良い。
実りの季節、洒落てるではないか。
この恋が実ることを、紅葉は願っているのだろう。
季節にすら好かれる様な色男だと自嘲する
なんで季節に好かれるのだとね
#立秋 #銃を捨てろ
今の恋は冷めやすい
夏の告白もロマンティックだとは、おもわないかい?
冬の夜に告白などとほざく奴には、冬でも熱いカップルに対して、飢えた冬将軍が冷たい嫉妬の眼差しを向けるだろうから。
飢えた将軍達は夏に弱い
なんでったって、重たい鎧を付けてるからね。
ただ妬み将軍達は、今この時代を案外楽しんでいる。
なんてったって、最近流行りの病気で恋の病の相手を、ガマにしてしまうウイルスが散らばっているのだから。
#変なことしなければ助かるのに #ガマ油を売る将軍
まぁ時代が時代だから、恋の形はそれぞれなのだろう。
現に俺はLINEを使って明日告白するつもりだ
結局俺も今の時代の若者なのだろう
だからと言って、その事実がショッキングなのでもないためどうでもいい事なのだけど。
家に帰り、早速告白の練習をする。
Keepメモ
何かと便利である
元からメモアプリはあるが、メモのアプリを開いてまでガチな事をまとめるのはそうそうないため、メモアプリなんて物は、俺にとってKeepメモ劣化に過ぎなかった。
ただ、
[あのさ]
だの
[急に連絡して来てごめん]
だのと、最初から腰が低くとても告白するとは思えない文が出来上がっていた。
獣が唸るように頭を抱えている、もう晩ごはんのようだ。
一旦考えるのをやめ部屋から出て、洗面所でまるで不貞腐れていそうな自分の顔に水浴びるのであった
結局ご飯前に思いついた告白文は、マエカラツタエヨウトオモッテタンダだの、オレオマエノコトガスキナンダだの、四回程送信するのに原始人見たいな事しか思い浮かばなかった。
♯恋の病治し方 ♯原始人以下の馬鹿に付ける薬
晩食を食べ終えた後、自分のベッドに横になり携帯を触りLINEでKeepメモを開く…が
これ以上もう何も思いつかない自分がいた
どうやらその頭は原始人以下の馬鹿にして頂点なのかもしれない
その
悲しい気持ちになったまま、時間がただ過ぎゆく。
何もしない時間がただただ流れる
気がつけば、もうすぐ
本当に人間という生物の体の構造は不思議だ
とても眠たい
今にでも顔めがけてスマホを落としてしまいそうだ
今日は寝よう、後で考えよう。
どういうことで今日はもう寝ることにしよ
21:27:48 21:27:53 21:28:00
既読
眠ると同時に突然目がかっ開いた
背中がゾワゾワする
嫌な汗が額から憤き出る
手足は全く動いていない筈なのに、あらん方向に手足が曲がっている感覚がする。
今自分の身に何が起きている?
助けて
僕の体の上に何かが乗っかる
それは四目の何かだった
高速に時間が進むのを体の内部で感じる
て見を私
四つ目の化け物はどんどん近づいて来る
我を探せ――
…
……
……… ?
「……いっ、一体何が、あったん…
朝起きたら俺の顔の上にはスマホと、飾っていたジグソーパズルが俺の顔に刺さっていた。
♯寝起きドッキリ包丁 ♯字文逆
今日は不思議だった
授業中は誰かに見られていた気がするし
携帯が振動したと思ったら
、なんと言ったって。彼女が今日来てなかったことだ
体調不良か夏バテか、
……LINEで聞いてみるか
だが、まだこの時は知るよしも無かった。
このLINEを開くことは僕の人生に置いて
"裏"舞"台"に"足"を"漬"け"込"む"事"に"な"る"事"を"
ある夏の日Keepメモに既読が付いたあの21:28から、君はいなくなった。 ノマテラ鉢巻き石火ハッサム @Oduranod
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