第3話 愛情

 じわりと亀頭が柔肉に埋まり、押し広げはいっていくと、全体が優しく、そしてしっかりと包まれる。膣内はうねうねと私を迎え入れ、巧みに締め付けた。



「……っ。入っ、り、ました、ね。ふわぁぁ……んぁっ、ナカから熱い......殿下の、がっちがち、です、ね」


「はぁ、ぁ……。ん、熱い……」



 飲み込んでくるノワールの膣壁の心地よさに、私も悩ましく息を吐く。

 両手を肉感的なヒップに添えて、挿入した肉竿を奥まで差し入れる。


 ノワールの中は窮屈ではなかったが、侵入した私を無数の膣襞で吸いつくように包み込んでくる。

 それに熱く煮えていてドロドロに肉胴が蕩かされそうな錯覚さえ覚える。



「はぁ、ぁ……。ふと、い……入り口が、こすれて、んっ、ぁ!」



 甘い、少女の喘ぎ。そして、なによりその膣襞は


 柔らかい――。



 少女が腰を滑らせて抽挿を始めると形のないやわらかな圧迫感に肉胴が扱かれて、膣襞が全身に絡みついてくる。



「あっ、――んぁ、はぁ……、ぁ……。これ、は……」


「ふふっ。私のナカ、大好きですものね?殿下、今日も、沢山、たくさん、注いでくださいませ♡」


「ぁっ、はっ……、はぁ……、ンっ」



 私は飲み込まれた肉竿の快感に息を深くした。

 飲み込まれる、そう魂のすべてが、その柔らかな温もりに包まれ、飲み込まれるかのようだった。



「んぁ、あっ…はぁ♪だから、殿下、もっと――きて?」



 少女がねだるような上目遣いで、そう告げる。

 煽情的に赤い舌を差し出して、私の胸に手を突き、貪るように腰をこすりつける。

 時折、少女が太ももを寄せるように狭めると、無形の柔らかさだった膣壁が狭まり、肉胴が甘く絞めあげられて私は眉をハの字にした。



「んぁ、ぁ……、すっごいごりごりっ……かたぁい、……あっ、んっ♪」



 下から突き上げるように肉胴を出し入れすると、少女は上半身をそらし後ろに手を突いた。膝が割れ、M字に開かれた脚の付け根が淫らな接合をさらけ出す。

 股から溢れる愛蜜が、腰を振る度にちゅばちゅばと厭らしい音を立てた。


 細い腰を掴み、無心で打ち付ける。だが、猥らな陰道は肉胴を挿すときも引くときも、私の肉胴の剥き出しの快感神経を吸い立ててきた。いったいどういう器を持っているのか、気を抜くと下腹部から早々にあの耐えがたい甘い感覚が沸き上がってしまいそうだった。



「んぁっ、殿下の頑張りに、負けていられませんね♪」



 少女は腰を持ち上げ、私の股座にぬるりと捩るように押しつけてきた。



「ン……ぅ、は、くっ……、ノワー…ッ、ル、……あっ、んぁっ、それは……っ」


「あれ?さっきみたいに、出ちゃいそうな声になっていますよ、殿下?」


「はっ、く…ぁ、あっ、ン……っ!あっ、しま……、っる、んぁ、あっ……!」



 無形だった柔らかさが飲み込んだ肉胴を捏ねあげるように転圧してくる。

 そればかりか、ぐつぐつに熱い膣道はどこを突いても喜んで締め上げてきて、私を苦しめる。



「――では、そろそろ。繋げさせていただきますね」



 ノワールは甘い声でそう囁くと、私の首筋に唇を寄せ、そのまま甘く噛みついた。瞬間、私たちの間にある境界が溶け出し、ノワールの快感が私に、私の快感がノワールに流れ込む。重なり合う感覚が、まるで旋律のように心地よく響いていく。


 ノワールの力――それは、本来ならば戦場でお互いの痛みを分かち合い、負担を軽減するためのもの。しかし、今はその力を使い、私たちは互いの感情と快楽を共有している。彼女の喜びが私の神経を駆け巡り、私の歓喜が彼女の体を震わせる。その瞬間、私たちは互いに溶け合い、一つの存在として深く結びついていた。



「ぁっ、はっ……、殿下が、わたしで、感じて、はぁ……、ンっ」



 ノワールの息遣いが熱を帯び、言葉が甘く蕩けるように耳元に響く。彼女の腰が捏ねるように動き、私を更なる快楽へと引き込んでいく。だが、その動きは決してローペースなど許さない。むしろ、彼女のヒップが強引に私を引き寄せ、焦らすことなく深く絡み合う。


 彼女の柔らかな体を正面から押し倒し、その細く滑らかな肢体を自分のものと重ね合わせるように滑らせながら、彼女のナカを貫いていく。体の前面が一つに溶け合うたびに、彼女の内側が私をさらに求めるように締め付けてくる。その動きに呼応するかのように、私の腰も自然と彼女の奥深くを突き上げた。



「あはっ、殿下ぁ、すご…ぉ。あ―――ンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪」



 腰を揺らして突き上げるたびに、ノワールの声が甘美な旋律となって部屋に響き渡る。動きに合わせて彼女の声がリズミカルに漏れ、そのたびにナカが私を締め付けてくる。


 少女の甘い声が心を搔き乱す。

 まるでわざと聞かせているように、ノワールは楽し気に歓びの声を上げ続ける。

 急き立てられるように穿ち込んでいく肉胴がじゅくじゅくの密壺に犯されて私の下腹部に快楽が氾濫し、少女の上げる声が私の嬌声のようにさえ思えてくる。



「はぁ、あっ、んぁ!はぁー…っ、こん…な…っ、は、ぁ、あ!あくっ、んぁ!!」


「でん、かぁ…、きもちい♪ ほらぁ、もっと突いて?あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪」



 声に、煽られる。

 少女は私の手に手を重ね、ぎゅっと指を絡めてきた。


 逃げ道を閉ざされたような錯覚に、ぎゅっと胸の奥が苦しくなる。

 ハの字に下げた眉の下で、視界が涙で滲む。

 もう、射精感は腰の奥から込み上げてきて落とせない。



――― ノワールをイかせるには、まだ足りないっ!!



 丸めた下唇を噛んで、私はその感覚が来てしまうのに首を振って堪える。

 せめて――。せめてのノワールをイかせる糸口を掴めないか、腰を打ち付けながらもうそれしか頭に浮かばない。



「あ――っ、くぁッ、んんっ!はっ、うあっ……、絞られ…、ひゃ、らめ…っ、ぐりぐり…、ら、めぇ……!」


「あはっ、殿下ぁ、凄いですよ、腰使い。ねぇ、もっとがんばれます?――あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪あンっ♪」


「―――…っ!!ひぁっ、あ、あ、あ、あ、あっ、んぁ、ああっ!!やだ、また出るの、やらぁ、絞らな……でぇ、あっ、出るっ!出ちゃ……ぅ!!!」



 腰の奥からあの耐えがたい熱が吹き出てくる。

 精道をこじ開けて駆け上ってくるその快感に、私は被せられた手をぎゅっと握りしめて、腰を打ちつけていった。


 意思や自律心から解き放たれてしまった欲望のままに、少女の絡みつくような膣襞に扱き上げてもらおうと、腰を振る。



出――――た。



 肉胴を駆け上ってくる感覚に肩をきゅっと縮め、ノワールの膣内に私は精を吐き出す。薄れゆく意識の中、彼女の悦びに満ちた嬌声が聞こえた気がする。声と共に締まり上げる膣口が根っこから肉胴を幾度も扱き上げた。まるで一滴も逃さぬとでも言うように。そして、私は――





 絞り、取られた。



 *

 *

 *



 全身の力が尽き果て、私はもはや自分の体を支えることすらできなかった。まるで操り人形の糸がぷつりと切れたように、膝が崩れ落ちる。


 ノワールの柔らかな肌に身を預けると、その温もりがじんわりと伝わってきて、冷え切った心にまで染み渡っていく。彼女の膝枕はまるで荒波に揉まれた船がようやくたどり着いた静かな港のようで、私は深い安堵感に包まれた。


 重たくなった瞼が自然と閉じていくのを感じながら、意識はゆっくりと静寂の中へと沈んでいく。


 ノワールの細くしなやかな指が、私の乱れた髪をそっと撫で始めた。その動きは、まるで母親が愛する我が子をあやすように優しく、慈愛に満ちている。


 彼女の猫耳が微かに揺れるたびに、ふわりと甘い花の香りが漂い、私の心を癒してくれる。指先が髪を梳くたびに、戦いの中で積もり積もった不安や疲労が、一枚一枚剥がれ落ちていくようだ。


 父である魔王が勇者と聖女によって滅ぼされ、私たちは二人きりで逃げ延びてきた。長く続いた戦いの日々、恐怖と絶望に包まれたあの時間が、今では遠い過去の出来事のように感じられる。


 ノワールの心臓の鼓動が耳元で静かに響き、その穏やかなリズムはまるで子守唄のように私の心を落ち着かせてくれる。早鐘のようだった私の心臓も、彼女の鼓動に合わせるように次第に穏やかさを取り戻していく。


 彼女の指が頭皮を優しくマッサージするたびに、心地よい痺れが背筋を伝い、まるで静かな湖面に小さな波紋が広がるように、意識がだんだんと霞んでいく。

 ノワールの温かな息が耳に触れるたび、その一瞬一瞬が私を現実から解き放ち、まるで夢の中へと誘ってくれる。そこは痛みも悲しみもない、安らぎの世界。



「アルデュス様、ゆっくりお休みください」



 と、彼女の優しい囁きが聞こえる。その声はまるで天使の歌声のようで、心の奥底まで響き渡る。


 ノワールの優しさに全てを包まれ、私は彼女に身も心も委ねることができる。この瞬間だけは、戦いも、恐怖も、未来への不安も、全てが遠くに霞んでいき、ただ彼女の存在だけが私の全てとなる。


 彼女の深い愛情に満たされながら、私は次第に深く、そして穏やかな眠りの中へと落ちていった。それは新たな旅立ちへの力を蓄えるための、慈しみに満ちた眠りだった。目を閉じると、遠くから小鳥のさえずりや風の音が聞こえてくる。


 ノワールの温もりに包まれながら、私は確信した。彼女と共にいれば、どんな困難も乗り越えていけると。


 目覚めたとき、新しい朝が私たちを待っている。再起を図るための道のりは険しいかもしれない。それでも、ノワールと共に歩む未来は、希望に満ちているに違いない。彼女の愛情があれば、私は何度でも立ち上がれる。




 そんな思いを胸に、私は深い眠りの中で微笑んだ。




―――――――――――


 あとがき。


 殿下も、ノワールのことが大好きなんですね。


 楽しかった、続きが少しでも気になる思われましたら⭐︎⭐︎⭐︎評価や作品フォローをどうぞよろしくお願いします!




⭐︎⭐︎⭐︎は最新話下部、もしくは目次ページ下部の「星で讃える」から行って下さい。⭐︎⭐︎⭐︎だと嬉しいです〜!


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[はらはむ] 聖女を孕ませ、勇者で孕む。フタナリ王女の魔王復活 門東 青史 @kadosei1010

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