「8時だョ!全員転生」①
キミが目を開けるとそこは異国情緒溢れる港街だった。
「ここは一体? 確か夜の8時頃、急に甘い物が食べたくなって、財布片手にコンビニへ行った帰り道。トラックの前に飛び出した猫を助けようとして·····」
「目が覚めた? ここは港町アイアイエ。キミは魔王を倒すために、この世界に転生したんだよ!」
キミは声をかけられて振り返る。そこには背中から昆虫の様な羽根を生やした、妖精の女の子が浮かんでいるのが見えた。
キミがもっとよく見ようと顔を近づけると、妖精は「ち、近いよ?」と、照れた様にピンク色に輝く鱗粉を振りまく。
キミにはその顔に見覚えがあった。
「オイッス!!」
「部長!?」
「そうそう。キミが転生したという妄想に巻き込まれ、わたしもこの世界に来ちゃったみたい」
妖精がそう言って、キミの顔の横を飛び回ると、小気味よい鈴の様な音がして、良い。とキミは思う。
「キミは目覚めたばかりだからね。この世界の事は先輩であるわたしが教えてあげます」
キミは妖精よりこの世界のルールを聞いた。
まず、この世界では「次のエピソード」を押す事は最大の禁忌とされている。
また、困難に立ち向かう際には、運命の女神の加護である、ひとつ、またはふたつの青い祝福の言葉が見えるはずだ。
しかし気をつけなければならない。
運命の女神は気まぐれで、青い祝福の言葉には不運の呪文が仕込まれている事があるのだ。
「なるほど。青い文字のリンクで冒険を進めるわけですね」
「そうそう。そして『次のエピソード』は絶対押しちゃだめだよ」
「押したら?」
「混沌の迷宮に落ちる、という言い伝えがあります」
キミはごくり、とつばを呑み込んだ。
「さあ、じゃあルールは説明したから早速、船に乗って冒険に出かけましょう!」
キミはここまでの展開に物申したくなるのも呑み込んだ。
そんなキミの目の前には、港に停泊した2隻の大きな船がある。キミは······
A.「タイタニック号」に乗り込んだ。
https://kakuyomu.jp/works/16818093083469966727/episodes/16818093084247608933
B.「オデッセイ号」に乗り込んだ。
https://kakuyomu.jp/works/16818093083469966727/episodes/16818093084250831913
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