最終話:ねえ、エッチしよ、エンドレスで。

あんなヤバいバイトをやっていたらいつかは命を落とすかもしれない。

ネルのために、俺のために、これからはバイク屋の仕事だけに専念しよう。

俺が地に足をつけた生き方をすることをネルも望んでるだろう。


レジデンスの部屋の玄関を入るなり、それははじまった。

お互い理性を失ったように求め合った。


ネルはいつもより激しく乱れ、体力が半端ないから俺は息絶え絶えだった。

まじでエンドレスセックス・・・まったく疲れを知らない女だ。

俺はいつかネルの腹の上でポックリ逝くかもしれないって思った。

ある意味、それも男にとっちゃ幸せな死に方か。


だけど、死ぬにはまだ早い。

ネルの夢は、俺が朝、仕事にでかけて行って夕方元気で帰って来る・・・

そんな平和で平凡な暮らしを送ることをネルは望んでるだろう。

その夢は叶えたやりたい。


次の日の朝のニュースで、例の倉庫の事件のことをやっていた。

ただ、詳しいことはなにもニュースでは得られなかった。

世間に公表できないような事件だったんだろう。


おおまかな事の真相を知ってるのはワーゲンのおっさんとベスパで

やって来た、めちゃ強かったメイドのおネエちゃんと連れのニイちゃんだけ・・・。


ワーゲンのおっさんはともかく、俺はメイドのおネエちゃんとニイちゃんに

会ってみたいって思った。

あのメイドは何者だったんだろう?・・・あの子もガイノイドか?

とっても気になった。


もしかしたらおネエちゃんのほうはメイドの格好をしていたから、どこかの

メイドカフェにいるのかもしれない。

でも、探したところで向こうは俺とネルのことは知らないわけだし・・・。

そっとしておくのが一番いいんだろう。


それに俺はもう普通の生活に戻るんだから・・・倉庫の事件に関わった人たちとも

関わらないほうがいい。


俺は一宮さんを誘ってネルを連れて例のラーメン屋にラーメンを食い行った。


「ネルちゃん、元気そうだね」


「一宮さんも・・・」

「私、いっぱいエッチしてるから元気なの」


「お〜い・・そう言うことどこででも言うんじゃないよ」


「阿井さんいいんじゃないの?正直で・・・そう言う飾らない子だから精神的に

救われるってこともあるんじゃないの?」


「あ〜それは言えてますね・・・たしかに助けられてます」

「一宮さん、今日はネルの脳殻のうかくに義体を提供してくれたお礼また

してなかったから、今日のラーメン代は俺のおごりです、何倍でも食ってください」


「今日は一杯だけね・・・二杯目と3杯目はまた今度ってことで・・そのほうがまた二人に会えるでしょ?」


で、三人でラーメンを美味い美味いって食った。


こう言う美味いモノを食べて笑って、くだらない話に盛り上がって平凡で平和な

時をネルは俺と望んでる。

俺はこれからもネルとラブラブで彼女だけのために生きて行く。


ネルは俺の顔を見るたびに言う。


「ねえ、エッチしよ、エンドレスで・・・」


って・・・。

それがネルの口癖・・・だからその言葉は俺たちには普通のワードになった。

そしてそれは「今幸せだよ」って意味がこもったふたりだけの愛の言葉せりふなんだ。


おしまい。







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目覚めのノーティー。 猫野 尻尾 @amanotenshi

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