第14話:俺の仕事は終わった。

「ネル帰るぞ・・・さっき見たことをジャンクショップのMに報告だけでも

しとかなきゃ・・・報酬もらえないからな」

なもんで、俺はまたネルをバイクに乗せてジャンクショップに向かった。


俺はネルと一緒にMのジャンクショップにやって来た。

ネルを連れて店の中に入ると、カウンターの上に猫のQがいた。

Qは俺とネルの顔を見ると、ニャ〜って一声鳴いた。

そしたら、店の奥からMが出てきた。


よくできたシステム。


一応何があったか俺はMに報告した。

それを聞いてMは、満足そうに分かったってふうに頷いた。

いったい、あの倉庫で何が起きてたのか聞いてみた。

そしたら


「本当は極秘なことなんだが、ある人物の誘拐事件が絡んでたんだ」

「お前が見たとおりのことなら、俺のクライアントの要望は果たされたって

ことになるから、この案件はクリアだな」

「御苦労だったな・・・今回のお前の仕事は終わった」


「お前の後ろにいるのは、おまえの女か?」


「そうだけど・・・」


「て、言うか危険な場所にそんな可愛い彼女を連れて行ったのか?」

「だけど連れて行って正解だったよ・・・俺この子に助けられたから」

「この子ガイノイドだからね」


「あ〜戦闘用の義体か?」

「か、どうかは知らないけど、めちゃ強いからね」

「もし、俺が別れるなんて言ったら腕の骨の5本くらいは折られるかも」


「なに言ってんの・・・そんなことしないから」


「冗談だってば・・・」


「店の中でノロケはやめてくれないか?」

「ほれ、今回の仕事の報酬だ・・・受け取れ」

「おまえは信用できそうだ・・・どうだ・・・このまま、俺の下でこの手の

バイト続けてみる気あるか?」


そしたらネルが俺の袖を引っ張った。


「分かってるって・・・」


「ああ、申し訳ないけど・・・バイトは今回限りにするわ」

「彼女のために長生きしてやりたいから・・・」


「そうか・・・まあいい、もし気が変わったらいつでも来な」


「ああ・・・ありがとう・・・じゃ〜帰るわ、お世話になりました」


俺はネルを連れて店を出た。

あの倉庫であった出来事の誘拐事件ってなんだろう?

そんなことを考えながら、ネルを乗せて二度と来ないだろうジャンクショップを

後にした・・・走り始めると、ほほにかかる風が心地よかった。


「マサキ・・・気持ちいいね?」


「ガイノイドでもこの心地いい風感じるんだ?」


「あのね・・・私、不感症じゃないからね」


「あはあ、分かってるよ、感度良好ビンビン感じるいい女だもんだ」


「マサキの背中にしがみついてると幸せ感じる」


バイクで走ってレジデンスに着く頃には空が白けて夜が明けかけていた。

俺の中で今夜の出来事の興奮がまだ収まらなかった。


「マサキ帰ったらエッチしよ!!」


「分かってる」

「なんかさ、ヤバい仕事やり終わった後は妙にテンション上がってるな」

「思い切り発散したい気分だよな」


「だね」


そのままのモチベーションで俺はネルを抱く・・・抱きたくてしかたない。

思い切りネルをイかせて疲れきったまま眠りたい。


つづく。


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