(短編版)影密くんと日向ぼっこ

アカペン

 影密くんと日向ぼっこ

 僕は高校を入学して一人の女子と出会う……


 その彼女との出会いによって……僕の人生は大きく変わることになる……


 僕の名前は影密日陰かげみつひかげ

 明日は高校の入学式である。

 

「さて、ゲームでもしますか……」

 

 僕はゲームをしようとテレビに向かった。


 今からするゲームは、アニマルダンジョンといい、アニマルに似たキャラクターをプレイヤーが操作して、ダンジョンを攻略するゲームだ……


「よーし! 今日も頑張るぞ!!」


 僕は早速、ダンジョン攻略をしようとしていた


「お!」


 すると、このゲーム内のチャットで一通のメッセージが来た。


 (うさぎ) お久しぶりですね! マスターさん!!


 それは、プレイヤーネーム「うさぎ」さんからのメッセージだった。

 ちなみに僕のこのゲーム内の名前は「マスター」である。


 (マスター) お久しぶりですね!!


 (うさぎ) よかったら一緒にダンジョン攻略しませんか?


  (マスター) 是非!!


 そうして、僕とうさぎさんは一緒にダンジョン攻略することに……

 うさぎさんは、僕の昔このゲームをきっかけで知り合ったフレンドで最近は一緒こうしてダンジョン攻略をしていなかったが……昔はよく一緒にダンジョン攻略をしていた。


 僕とうさぎさんは共にダンジョン攻略をして、盛り上がった。


「ふー! いっちょ上がり!!」


 僕とうさぎさんがダンジョンを攻略し終わると、

うさぎさんから再度メッセージが来る。


 (うさぎ) 今日はありがとうございました! 明日入学式があるのでもう寝ます……


 (マスター) 実は僕も明日入学式なんです!!

 お互いいい日になるといいですね!


 (うさぎ) はい!!


 うさぎさんも入学式なのか……

 僕も明日から学校だからもう寝るか……


 僕は睡眠を取るためベットへと向かった。


 明日から高校生か……

 僕は昔から……人見知りで友達が満足にできなかった。

 明日の入学式ひいては、高校生活に、期待と不安が入り混じる……


 仲のいいお友達ができるといいな……



 そして……次の日……入学式当日


 僕は学校に行くため道を歩いている。

 結局……いろいろ考えて……全然眠れなかった……


 僕は学校の校門へと到着する。


 すると、学校のクラスの生徒玄関前にすごい人が集まっていた。


 あれは……クラス表か……

 僕も見に行くか……


「なぁ? お前、今の見たか?」


「ああ! 超可愛かったよな! 今の子!!」


 そう、男子生徒が話しているのが聞こえてきた。


 僕はなんか騒がしいな……

 そう思って、男子生徒達の視線の先を見た。


 すると、そこには、とても可愛くて、スタイルがとてもいい、モデルのような美少女が立っていた。


 ……あの子……すごい可愛いな……


「なぁ? あの子モデルみてぇー! ってか、実際やってるんじゃないの? モデル」


「お近づきになりてぇー!」


「なぁ、お前ちょっと話しかけてこいよ!」


「いや、さすがに……」


 そんな男子生徒達の声が聞こえてくる。


 すると、その女の子は生徒玄関の方へと歩いて行ってしまった。


 僕はその後、クラス表を見て、自分のクラスを確認すると……クラスへと向かった。


 さっきの子……何クラスなんだろう……

 僕はついついあの子の事を考えてしまった。


 教室に入ると、僕はまず席を探した。

 そして、席を見つけてその席に座る。


 席について周りを見渡すと……あの子……さっきの可愛い子がクラスメイトと仲良くお喋りをしていた。


 あの子……僕と同じクラスなんだ……

 でもすごいな……もうクラスのみんなと喋ってる……


「俺、高江って言うんだ!! よろしくな!」


「俺、三上って言うぜ! こちらこそよろしくな!」


 僕と同じクラスメイトは続々と初めましての挨拶をしていく。

 僕も自分から話しかけに行かなきゃ……

 そう思い立ちあがろうとするも……

 

 勇気が出なかった……


 結局……僕は誰とも喋ることができなかった。


 僕は今……生徒玄関から校門へと歩いているところだ……

 

 自己紹介も失敗しちゃったしな……アニマルダンジョン好きです! なんて言ったらみんななにそれみたいな反応するんだもん……それは、そうか、あのゲームそんなに有名じゃないからな……


 今日のあの可愛い子……朝比奈さんはすごいな……

 初対面だというのに……あんなに楽しそうにお喋りして……



「影密くん!!」


 すると、僕はある一人の女子生徒に話しかけられる。

 その子は朝比奈日向あさひなひなた……そう、僕と同じクラスで朝見たあの可愛い子だ……


 その子は僕の名前を呼んだこちらに走ってきた。


「影密くーん!!」


 僕の名前を呼んでる!?

 なんで〜〜


 僕はこの状況がわけわからず走って逃げ出した……


「なんで! 逃げるの影密くん!!」


 何で! 僕逃げてるんだ!?


 ……朝比奈さんがせっかく話しかけてくれようとしてるのに……僕はなんで……


「待ってよ!!」


 ここで勇気を出さなきゃ……いつ出す! 影密日陰!!

 僕は逃げるのをやめて、その場で立ち止まった。


「どうして! 逃げるのよ!!」


「さっきは! 逃げてしまって誠にすいましぇん!」


 ……噛んだ……


「別に怒ってないわ! 大丈夫よ!」


「あ……あの? それで……要件は何でござるか?」


「なぜ……武士語?」


「影密くん! アニマルダンジョンやってるんでしょ!!」


 ……なぜそれを? って、僕が自己紹介で言ったからか……


「うん……やってるけど……」


「私もアニマルダンジョンやってるの! だからお話ししてみたくて!!」 


 えっ? 朝比奈さんアニマルダンジョンやってるの? 

 僕は朝比奈さんがアニマルダンジョンをやってる事に驚いた。


 それから僕たちはアニマルダンジョンの話で盛り上がった。


「あっ! もうこんな時間じゃん! 話すごく盛り上がったね!!」


「……うん……」


 なんでだろう……彼女とアニマルダンジョンの話をしている時は自然と緊張しなかった……


「ねぇ! よかったらフレンドにならない!」


「……うん」


 僕は彼女とフレンドになる為、ゲームでのプレイヤー名を言った。

 

「僕……プレイヤーネーム「マスター」って言います!!」


「私!! プレイヤーネーム「うさぎ」って言うの!!」


 僕と彼女はほぼ同時にプレイヤーネームを言った。


「…………」


 二人の沈黙が流れる……


「今? なんて、影密くん?」


「え? プレイヤーネーム「マスター」って、それよりもプレイヤーネーム「うさぎ」?」


「ん?」


「え?」


「ええええええ!?」


 そう二人の驚く声が響いた。


「影密くんさ……もしかして、フレンドに「うさぎ」っていない?」


「います……」


 おいおい……こんな偶然ってあるのか?


「これってさ……」


「すごくない!! ねぇ!!影密くん!!」


 朝比奈さん……めちゃくちゃはしゃいでるそれもそうか……僕もこの事実まだ信じきれていないから……


「今日!! 一緒にダンジョン攻略行かない? 「マスター」さん!!」


「はい!! 行きましょう!!」


 もしかしたら……この子なら……


「やった〜〜!! あ! もうこんな時間!! 影密くん! そろそろ帰ろうか!!」


「ま……待って!!」


 僕はそう言って、帰ろうと提案する彼女を引き留めた。


「どうしたの?」


 僕はすーと深呼吸をして


「朝比奈さん!! 僕と友達になってください!!」


 そう朝比奈さんに言った。


「なに? いってるの? 影密くん……」


……っ!? やっぱりダメか……


「私たち!! もうずっと前から友達じゃん!!」


 っ!? 朝比奈さん……


 こうして僕に高校生活初めての友達ができた


「これから改めてよろしくね!! 影密くん!!」


「……うん! 朝比奈さん!!」


 僕は彼女と出会い運命が大きく変わった……

 この出会いに名前をつけるなら、そう……



 影密くんと日向ぼっこ……



 日陰は日向に照らされる……



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