第3話 もしトラならぬ、もしもユダヤ人のポジションを3億人の中国人民に置き換えたら

前回、ストア派おじさんはローマ教皇庁の分析位しか使い道があまりないレトロゲームみたいに書きましたが、今回はそういう記事をお試しで書いてみます。


世間はアメリカの大統領選挙で盛り上がってまして、もしトラ(もしもトランプが大統領になったらこうなる)の予測が人気です。トランプが大統領になったらウクライナ戦争は終結するとか、ガザ地区だけは更地になるとか様々な事が予想されてます。


今回は、もしトラの想像を遥かに超える話をしてみます。それはこうです。もしもユダヤ人のポジションを3億人の中国人民に置き換えたらという話です。


よく世間ではユダヤ陰謀論が言われますが、歴史的に西洋文明はユダヤ人を手先として使ってきたという歴史があります。


金融業など、キリスト教社会で嫌がられる仕事をユダヤ人にやらせておいて、一般人の怒りの矛先をそこに向けるというやり方ですね。今回の話は、なぜそのような構造が西洋社会で出来上がっていったのかという成立の話題も含むような話になってます。


それで今揉めてるガザ地区の件はもしかしたら、ユダヤ人のポジションを整理するための構造改革かも知れないと思いました。


ユダヤ人がなぜ、キリスト教社会の中でのあの位置を占めてたのでしょうか?それは、元々ローマ帝国は多神教だったのですが、313年のミラノ勅令でキリスト教の迫害が終わります。そして、テオドシウス帝が394年にキリスト教を国教化します。その時に、ローマ帝国すべての多神教は非合法になり、ユダヤ教とキリスト教のみが残るわけです。


それまでは様々な多神教や密儀宗教(秘密宗教)がありましたが、それらもすべてキリスト教にひとまとめされる事となります。


ただしこの時点では、ユダヤ人は被差別ではありません。ユダヤ人が金融業などの仕事だけをするのは1100年代の西側においてなのですが、ユダヤ人=汚れ仕事というのは主に西側のみで発展した構造です。


東方正教圏はユダヤ人差別がなかったわけではありませんが、職業の決まりはなかったので、農家や職人や商人のユダヤ人も沢山いました。有名な映画「屋根の上のバイオリン弾き」の主人公は、ウクライナのユダヤ人牛乳屋(農家)の話ですね。


なので、ユダヤ人問題、西側と違って東方正教圏ではキリスト教徒と職業の垣根も低かった事があり、かなり複雑な関係です。ユダヤ人のルーツを持つゼレンスキーがネオナチのアゾフ大隊と組んでる怪奇現象もあの辺りの地域特有の問題です。


帝政ロシア時代にあったポグロムは、西側がポーランドなどの中東欧地域でやらせていた事に原因があって、(ユダヤ人に居酒屋の独占権をあげて、そこで高利貸しをさせるなど)元々あの地域の問題ではないので。


そんなわけで、キリスト教化したローマ帝国の体制に組み入れられるという形でユダヤ人問題があったわけです。


欧州におけるユダヤ人差別はかなり苛烈なものがありました。その歴史的経緯を引きずってるからこそ、ネタニヤフはあれだけ強気に出てるわけです。


ユダヤ人には常日頃からやはり被害者意識があるのは仕方ないです。


それは何故なのかと言うと、イスラームのような商業文明と違って、中世ヨーロッパは農業文明でした。なので、今でも欧州の田舎には、商業、金儲けに対する嫌悪はとてつもなく根深いです。そういう感情がなければ、ユダヤ人問題がここまで燃え上がる事はないのです。ビジネス大好きなアメリカばかり見てると、欧州とアメリカの温度差が逆に見えてきません。


ユダヤ人問題は常に、欧米社会の問題としてずっーと燻り続けてるわけです。今の時代、昔と違って露骨なことはあまりしづらい。それで思いついたのが、ユダヤ人のポジションの構造改革です。


それは下の方の中国人民3億人をユダヤ人のポジションとして使うというアイディアです。それは何故かと言うと、日本と違って中国は一般の人民もかなり強かな人が多いのです。私が前に住んでいた所のオーナーも中国人でしたが、中国人オーナーは日本人が10人束になってもかなわない程、交渉が凄く上手いのです。一般人レベルで海千山千過ぎます。そんな人民が10何億人もいて、限界競争社会やってるのが隣国です。


となると一定数、悪そうが出てくるのは仕方ないです。中国共産党もこれからそんな人民の面倒を見るのもなかなか大変なのだが、その人民の面倒を見るのも大変な労力がかかるが、放置しておくと革命勢力になったりして、中国共産党の地盤を揺るがしかねないわけです。


そこで想像ですが、ローマ教皇庁とある密約を取り付けました。それは、西側がある程度中国国内でキリスト教の活動を認める代わりに、そういった悪そう人民3億人の面倒を見させるという密約です。


となれば、中国政府にとって革命勢力になりそうな集団を丸ごと引き取って貰えて、さらにキリスト教の活動を認めるとはいえ、これから少子高齢化を迎えるので福祉社会への転換が大変なボトルネックだと。中国政府がこれから福祉社会へ舵を切るのは大変な労力がかかるし、社会福祉への財源を確保してもそれをタダ貰いに使うのもいる。


それなら、日本と違って中国は宗教組織が互助会の側面があるので、かつての中国の秘密結社のように、キリスト教徒が「お仲間」で助け合って貰うと中国政府は助かる。一人っ子政策で夫婦で6人の親族を養わないといけないので、社会福祉への需要としてキリスト教がある。欧米のキリスト教団体も宣教できると資金を投入して来るのが予想されるので、その資金を活用して社会福祉事業をやって貰えると中国共産党としても助かるわけです。


それで、中国政府の西側化を画策してる欧米ですが、中国共産党も一筋縄ではいかない攻防戦を繰り広げるであろうというのは、火を見るよりも明らかなのです。私は中国側の反撃として、キリスト教版「諸子百家(百家争鳴)」が西側に対抗するイデオロギーとして台頭して来ると思います。西欧的な発想ではなく、中国的な発想で作られたキリスト教「思想」は、瞬く間に非西欧のユーラシア地域やアフリカに野火のように広がる可能性がある。


それでキリスト教が中国共産党にとって何が重要なのかと言うと、革命運動の拠点になったかつての中国の秘密結社と比べると、キリスト教は国家権力には逆らわない傾向があるからですね。なので、上手くキリスト教と中国共産党が合体すれば、かなり永続性のある政権が中国にできる可能性がある。


なので、中国が今のままだと心配する事は何もないのですが、中国政府が西側諸国並みにソフトな雰囲気になったらかなり日本にとって要注意です。「中国の世界征服」を心配するのなら、中国人の行動様式が昔ながらではなく、西欧のようになって来た方が、日本にとってリスクになります。


それで、中国政府は負担が減り、欧米はキリスト教勢力が増しイスラーム圏に対抗でき、そして一番重要なのは、西欧社会のボトルネックのユダヤ人問題が完全に悪そうの中国の人民3億人に外部化できるというメリットです。頭数も多いので、ユダヤ人問題のようなマイノリティ特権などの批判もかわしやすいですし。なんせ人口1400万人の少数民族のユダヤ人の人口の20倍です。


ユダヤ人が欧米社会で教会や王室といった勢力から保護されていたのは、ユダヤ人が一般の欧米人と違って義理人情の人達だからです。中国人も義理人情の人達ですし、日本と違って特に「大恩」は絶対に忘れない人達です。世界各地にディアスポラしても、自分たちの文化は絶対に忘れない所もよく似てます。


それに、中華思想のせいなのかも知れませんが、中国人はあまり被害者意識が強くない。かつて中国残留孤児を沢山助けた歴史があります。政治、権力闘争はともかく、一般人にはそこまでするのは少ない。その辺りの中国人の長所を生かそうとしてるかも知れない。


中国は一人っ子政策の影響があるとはいえ、21世紀ではかなり有望な国です。昇龍どころか日の出の勢いがまだあります。(人口増加に関してはイスラームが強いですが、政治的安定性が難しい国が多い)


どう考えても人口規模でも、これから中国が一大勢力になるのはわかっているわけです。


なので、それを見越しての中国のキリスト教化だったり、下の方の中国人民3億人のユダヤ人化だったりするのでしょう。


ローマ帝国でユダヤ人が体制に組み込まれたのも、ユダヤ人はローマ帝国の中の一大勢力で、更にポエニ戦争でローマ帝国と対立したフェニキア人とも親戚関係を持っていたからでしょう。


彼らの地中海全域に広がる血縁のネットワークがダイレクトに国際金融そのまんまだったのです。


なので、その当時のユダヤの一般人をローマ帝国側に取り込む必要性があった。そこで新約聖書が、その当時のディアスポラ・ユダヤ人の共通言語であるコイネー・ギリシャ語で書かれて、ユダヤ人の一般層のローマ帝国取り込みを図ったと。


これは中国の下の方の人民3億人を抱え込んだり、中国にキリスト教を広めるのと同じ、ローマ帝国以来のやり方なんです。


ガザ地区で行われたのは、もうユダヤ人はいらないというメッセージだったかも知れない。ユダヤ人をマサダの砦で暴走させたのと同じことが繰り返された。


とんでもない構造改革が始まっていて、もしトラどころではありません。特に日本にとっては隣国なので、ダイレクトに日本にも影響がある事多数なのです。


追記 中国人は欧米人と違って人種差別はしないので、真の万人平等社会向きだと考えたかも知れない。

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「ストア派おじさん」のぼやき。肌感覚でわかるストア派の哲学 まりさろばーとそん @palmonsen

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