7年前にあばよ

空はいつも通り見下してくるだけだった

　どこでもよかった。少しでも気が晴れれば。

　人の頭の悪さは将来を不安にさせる。

　だから家族を幸せのひとつとは自分の場合思えなかった。

　それが現実と言うだけなのかもしれないが、せめて干渉（かんしょう）しないですむ関係ならいいかもしれない。

　そんなありもしない夢まですがって生み出した理想はただの猛毒（もうどく）でしかなかった。

　そっと心の中にしまっていた中指を楽しそうに暮らしている誰かに向けるのではなくまるで神のようにこちらを見下ろす天にむけた。

　もう7年前のこと。

　ただここから出たいだけ。

　まだ縛られてしまうかもしれないことを覚悟するのはもう少し先になってしまった。

　選択肢はもうふえた。

　何かを決めることと、決めないこと。

　もう可能性を閉ざしはしない。

　かたよった者共（ものども）や連中よさようなら。

　二度と会うことはない7年前は最高の思い出ときっかけだけをもちだしたからあとはふりはらうだけ。

　そして過去をふりかえっても簡単にはしゃぐことはない。

　ただ未来へ足をふみいれるだけだから。