海への憧れ
蘇芳
第1話
「僕は海に行ったことがない」
厳密に言うと、海水浴に行ったことがないのだ。僕の生まれは北海道の東にある港町。そこの海は一年中とても冷たく、また海岸には流れ着いたゴミや昆布などでいっぱいだ。だから、海に行った思い出もあるが、泳いでいるのではなく砂浜でシーグラスを探したり、色々な貝殻を集めたりした記憶ぐらいだ。
時々暖かく、真っ白な砂浜で走り回ったり、泳いだりしてみたいと思うが思うだけで終わってしまう。
ネットで見る浜辺と、故郷の浜辺。全く違うが同じ海で繋がっている。それがとても信じられなくて、どこか違う国なんじゃないかとまで小さい頃は思っていた。
故郷の浜辺もシーグラスが沢山拾えたり、打ち上げられた昆布や貝殻、更には海外のゴミなど様々なもので子供の頃は遊んでいた。それがすごい楽しかった。時々、親に話される海での悲しい事故など怖くなるような事もあったが僕はずっと海で遊ぶのが好きだった。海は僕にとって遊び場であり、危険でとても神聖な場所であった。
いつか、海に海水浴に行ってみたい。行った時、僕は海を見てどう感じ、どんな事を思うのだろうか。
海への憧れ 蘇芳 @momoryo
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