一夏涼風

海翔

第1話

 今年の夏は梅雨が開けるのが早く、その分、残暑が長引いている感じで暑い日が続いている。

いつもならツクツクボウシが鳴いて、夏の終わりを告げているのですが、、、

 そんな夜に孝也と浩が久々に会えた。元々二人は同じ高校のクラスメートだったが大学が別々になり、たまにしか会うことがなくなった。

お互いに大学を卒業して会社に入ってからやっと時間が取れて会うことができた。

約束の時間より少し遅れて、孝也が手をあげて浩のところに来たら、

 孝也が「待たせてごめんごめん」浩は「いつものことでしょ」そういって笑った。

二人は居酒屋に入り、出会いの一杯をビールで乾杯した。

浩は「仕事の方はどうだ」と孝也に聞いら、

孝也は「まあまあですよ。いろいろな影響もあったが、だんだん良くなってきましたよ」

「そちらはどうですか?」と孝也は聞いた。

浩は「うちの会社は景気に刺激されしばらくダメかも、、しばらくは我慢ですね」

浩は孝也に「最近いいことありますか?」と聞いたら、

孝也は「この前行った風俗にかわいい女性がいたよ。サービスも良くて満足したよ」

「相変わらず孝也さんお盛んですね」と浩は言った。

 孝也は、浩に「よかったら、この後そこに行かないか。たまにはストレス解消にいいですよ」

そう言われて、浩は「いいですね、行きましょうか。最近は何もできなくてストレスたまっていたので、、」

孝也は「このビール飲んでから行きましょう」

居酒屋での清算を終えて、二人は目的の風俗店に向かった。

 孝也は「確か渋谷のこの坂を上った角だったが、あったあったこの店です」

二人はこの店に入り、規定のお金を払い女性のプロフィールを見て誰にするか決めた。

孝也は陽子さんを、浩は夕紀さんに決め、しばらく待って二人が呼ばれ、別々の部屋に向かった。

孝也は陽子さんとはもう4回目になり、今では顔馴染みになっていた。

髪が長くてスタイルも良く、感じやすい人だった。

 部屋に入り着ているものを脱ぎ、そこから陽子さんのサービスが始まった。

シャワーを浴びて、陽子さんの手で体を洗ってもらいうがいをしてサマーベットに横になったら、陽子さんは体にローションを塗り、孝也の体に密着してきた。

身体中がつるつるしてなんとも気持ちいい感じで、時には乳首が背筋を滑ったりして気持ちよかった。

 そして、陽子さんは孝也さんを後ろ向きにして刺激を加えていった。初めて和也がその行為を受けた時は、なんとも言えない快感を得た。

そこから、孝也さんに体を前に向け、もう、爆発間近というところで、

陽子さんは「今日は暇なときに来てもらいサービス」といって、二人は一つになった。

陽子さんは「今日は安全日でかつ、ピルを飲んでいるので安心してね」

「普段はこんなこと店では禁止なんですが」そう言って笑っていた。

孝也はすべてを出して、満足した気持ちになれた。

そして、二人はシャワーを浴びて時間を過ごした。

 浩は夕紀さんに案内されて、こじんまりした部屋につれていかれた。

そして、着ているものを脱いで、シャワールームにつれていかれ、ここで体を洗ってもらい、うがいをしてサマーベットに横になった。

 夕紀さんはローションを体に塗り、浩の体に密着してきた夕紀さんはショートカットのグラマーな女性で、その体で身体中を密着されるとなんとも言えない気持ちよさで、指を使い刺激したりして興奮させてきた。

普段からストレスが溜まっていたこともあり、あっけなく終わってしまった。

その後、シャワーを浴びて世間話をした。

夕紀さんは今の会社の給料では、なかなか奨学金を返すには時間がかかるので、友人からこの仕事を勧められて始めたことを教えてくれた。

「こんなことをしているのがわかったら昼間の会社首になってしまいますよね」そういって笑っていた。

あれこれ話しているうちに時間になり、部屋を出たら孝也が待っていた。

二人は店を出た、孝也は「どうだったと聞いた」ので、

浩は「気持ちよ過ぎて、また行きたくなるよ」と言った。孝也は「なかなかいい店なのでまたいきましょう」

そういって二人は駅に向かい、そこで別れて家に向かった。


 次の日会社にいったら、同期に入った洋子に出会い「今度、合コンしませんか?」と誘いを受けた。

話によると「3対3でしたいんですが、孝也さんの方で3人集めてもらいたいのですが?」

「私の方から3人で行きますからお願いします」と言われ、今週末にやることが決まった。

 早速、営業部の連中に声をかけたら、孝と隆文が立候補してくれた。

これで3名になったので、洋子に連絡した。

洋子のほうも人事部の女性に連絡したら、夕紀と佳子が行きたいと言ってきたのでそれで決まった。

お互い同じ会社にいて、出会うことがないのでどんな人が来るのか楽しみだった。

 当日は、男性が先に待っていて、そこに洋子と二人の女性が来た。

浩はその女性を見てビックリしたが、冷静を保って静かに対応した。

なんとそこに先日行った風俗の夕紀がいた。

お互い会った時はビックリしたが、知らない顔をして対応した。

進行役の洋子から「左から立花佳子さん、安立夕紀さん、そして、今橋洋子です。現在、人事部にいます」そう言った。

浩は同じく左から吉井隆文さん、井上孝さん、そして、細田浩です。

「洋子さんとは同じ大学にいたことから知り合いで、今回、この会を開くことを計画してくれました」

「各自、自由に話して盛り上がりましょう。席は自由にどうぞ、、、」

初めはみんなたわいない話をして、場を盛り上げていき、お気に入りの人を見つけたら話すようになった。

孝は洋子さんと、隆文は佳子さんと話すようになり、浩は自然に夕紀さんと話すようになった。

そして、お互いのメールアドレスと連絡先を交換して、この会をお開きにした。

 浩が家についた頃に、夕紀さんから電話があり、

「まさか同じ会社の人とは知りませんでした。私が風俗で働いていることは秘密にしておいてください。お願いします、これが知られると会社首になるので、よろしくお願いいたします」夕紀は切羽詰まったような気持ちで話した。

浩は「この事は秘密にしておきます。誰にも話しませんから」そう、夕紀に話した。

何故か、夕紀の声が涙声になっていた。

 翌日、昼に夕紀から電話があり「これから会いたい」と言われ、

よくよく聞いてみたら家が近く、そちらに行くと言うので待っていたら、30分もしないでマンションのエントランスに来ていた。

夕紀さんはミニスカートとTシャツでやって来た。

部屋に招いて、冷たい飲み物を出したら軽くコップに入れて飲んで「先日はまさかあそこで会うとは思いませんでした」

浩も「夕紀さんに会ってビックリしましたよ。その上同じ会社の人とは思いませんでした」

「私もです、まさか、、、、」

「それで再度、この事についてですが、知られると私も困るので秘密にしておいてください」

そう言って「その代わりに私の体を抱いてください」

夕紀は突然裸になり「抱く代わりに秘密にしてもらいたい」と言われ、躊躇したが浩も風俗にいっていることもあり夕紀の提案を了解した。

そして、浩も全裸になり夕紀を抱いた。

風俗であった夕紀と違いすべてを浩に任せた。

夕紀は「今日はピルを飲んでいるのでこのまま出してください」といって、奥深くまで入れて、浩の精液を受け入れた。

夕紀もそのままエクスタシーを受け入れて逝った。

 しばらくして、夕紀は風呂場を借りて、浩の精液をシャワーで流し、バスタオルを巻いて風呂場から夕紀が出てきて「二人だけの秘密にしてください」と再度お願いした。

そう言われ、浩は夕紀の姿を見て、いたたまれない気持ちになってしまった。

そして、浩は「約束は守るから、会社にいるときは他人でいましょう」

そう言われて、少し安心したように、笑顔が戻った。

二人は会社のこととか噂話をして過ごした。


 それから、2週間が過ぎ、洋子さんから連絡があった。

「その後、孝さんから誘いの連絡があり、楽しい時間を過ごしてきました。佳子さんからも隆文さんから連絡があり、昨日、会ってきました。また近く会う予定だといってました」

「浩さんはその後どうでしたか?」

「あぁ、、夕紀さんとはその後、一回会いました。結構近くに住んでいることがわかりましたよ」

そういえば、孝さん「私と浩さんとはどのくらいの付き合いしていたか聞いてきましたよ」

浩は「それでどう答えたの?」

お茶友達だと答えておきました。

浩は「結構深い仲だったんだけどね。これは言えないですよね。洋子さんはこれだけは言わないでね」と、念を押した。

 洋子とは、高校時代に知り合って2年の夏に初めて関係を持った仲だった。

大学がお互い違うことから疎遠になり自然消滅したが、会社が同じ所だったことからまた話すようになった。

「みなさん、仲良く付き合っているようですね」

「そうですね」

洋子は今回の合コンがうまくいったことに満足した。

その日の夜に、孝から洋子に飲みに行かないかと誘いが来た。夜の7時に待ち合わせて渋谷に出掛けた。

「今日はピザを食べながらワインを飲むのはどうですか」と孝が洋子さんに提案したら「これもいいですね」と簡単に話がまとまった。

裏道にあったイタリアンの店に入った。

結構こじんまりとした静かな店で、まずはここで赤ワインで乾杯をした。

「お互いの仲が長く続きますように」と孝が言った。

会社の話やら、噂話、そして、個人的なことまで話の話題はつきなかった。

特にどじ話はお酒のいいつまみになった。

洋子のどじ話は格別で、高校の卒業旅行で北海道の温泉に浸かっていたら、男性が入ってきて、ビックリして悲鳴を上げたら「ここは混浴ですよ」と言われ、出るに出れなくなり、逆に上せてしまったことやら、

時間帯を間違えて、入っていったら男性ばかりで、言われて初めてわかったことなど話がつきない人でした。

 12時を過ぎて、さすがにワインを2本開けてしまい、歩くのもおぼつかない状態になっていた。

孝は「このまま返すのは危ないので、ホテルに泊まって休みましょうか?」と洋子さんに聞いたら「そうします」と言う返事だったので、近くのホテルに泊まることにした。

 ホテルに入り、洋子さんの服を脱がせてバスローブを着せてベッドに寝かせた。

孝は風呂場でシャワーを浴びて汗を流して、バスローブを着てその日はそのまま寝た。

 翌朝、隣に孝が寝ているのにビックリして、ことのなりゆきを聞いて何もしないで寝させてくれた孝に感謝をした。洋子はそんな孝が無性に好きになってしまった。

「孝さんそのままでいてください」といって、洋子はバスルームに入っていって温いお湯でシャワーを浴びて孝のところに来た。

そして、バスローブを脱いで全裸になり、孝の布団の中に潜ってきた。

孝も着ているものを脱いで洋子を抱き締めた。

洋子の体は小さく華奢な体で、抱き締めたら腕の中にはまるようだった。

キスをして乳房を揉んでいくと切ない声を出して感じてきた。そのまま乳首を舌先で遊んで、刺激したら早くも興奮して、そして、孝は避妊具をつけて、洋子の膣の中へと沈み込ませた。そして、2人は逝った。

しばらくして、二人はシャワーを浴びて、ホテルを後にした。


 その日は朝からいい天気で、部屋の掃除と洗濯をしていたら、夕紀さんが昼のテイクアウトの食べ物をもって遊びに来てくれた。

浩は丁度腹が減って、夕紀に「どうもありがとう」とお礼を言った。

夕紀は手早く料理を机の上に並べ二人で食べた。

浩は休みの日はいつも昼に湯を使って、温泉気分を味わうのが習慣で夕紀の来る前に準備をして行ったので、食事が終わったら「温泉気分を味わいませんか?」と夕紀に言った。

夕紀も「良いですね」と賛成してくれ、浩はその準備をした。

二人は裸になり、二人は並んでお風呂に入った。

風呂の中ではお湯を掛け合って「恋人同士みたい」と夕紀は笑っていった。

そして、浩は風呂から出て夕紀を抱いた。

 いつもよりも浩は夕紀を大切に抱いた。

夕紀に「風俗をやめて、俺と同棲してもらいたい」と言ったら、

一瞬、夕紀は呆然として「少し考えさせてください」と言って、目に大粒の涙をうかべていた。

私にとっては「すごく嬉しいことですが、もう少し考えさせてください」と浩に言った。

そして、浩の胸に抱かれて泣いた。

夕紀はその日から風俗には行くのをやめて仕事を変えることにした。

 そして、1週間後に浩の家に引っ越してきた。

浩は洋子に夕紀と同棲したことを伝えた。

洋子は喜んで「よかったね」と祝福した。

「そういえば、隆文と佳子さんはどうなったのかな」と、

浩は洋子さんに聞いてみたら、

この間、佳子さんから「隆文にやっと、女にしてもらいました」といってましたよ。

浩は一瞬どう言うことかわからなかったが、よくよく聞いてみたら、佳子さんは処女で、隆文さんにやっと、処女をあげることができて嬉しくて嬉しくて私のとこに電話してきたの。

「好きな人にあげたので嬉しかった」と言ってました。

「あげるときは痛くてたまりませんでしたが、喜びは大きかったです」その日の夜も隆文の所に行くと言ってました。

浩は気になって、隆文の所に電話を掛けてみた。

「浩ですが、佳子さんとうまくいってますか?」

隆文は「うん、上手く行ってるよ」この前は大変だったよ。

「どうかしたの?」

「実は彼女、処女で初めての経験だったので大変でした。まさか、処女ではないと思っていたんですが、ベットが血だらけになり、後始末で大変でした」

自分でも今時、処女の人もいるのに感心して責任を感じてしまいましたよ。

「そうですか」これでまた前に一歩進みましたね。

「彼女大切にしてやってください」

そう言って電話を置いた。


 二月して、隆文から電話があり「俺、佳子と結婚することにした。ついでに赤ちゃんもできたよ」

「初めてした時の子供かも、今は同棲して生活しているが子供生まれてから、結婚式する予定」

浩は「よかったね」と祝福した。

隆文のことを洋子に連絡したら「よかったね」とあまり元気のない返事だったので聞いてみたら孝とは別れたとのことだった。

「私と浩が付き合っていたことが気になって、再三この事を口に出すので何もなかったといっても、信用しないのでこれ以上無理だといって別れました」

「そうだったんですか、大変だったんだね」

「また誰か紹介するよ。それまで待っていて、、」

洋子は「そんなに気を使わなくていいよ」といって電話を切った。

 浩と夕紀の仲はみんなに知れて、今では隆文の次に結婚するのではとみんなが話すようになり夕紀も浩のプロポーズを待っていた。


 そんな日がもう間近に来ていた。

10月10日は夕紀の誕生日で、浩はその日に合わせて婚約指輪を用意して、夕紀を脅かすことにした。

夕紀の誕生日にレストランを予約して、隆文、佳子さん、洋子さんに来てもらい祝うことにした。

孝はその時、都合がつかなかったが一番仲のいいメンバーが集まった。

お酒を飲みながらいろんな話をして楽しい時間を過ごした。

そして「浩からこの席に来ていただいた皆さんに報告です」

「実は私、浩は夕紀さんと結婚することに決めました」

そう言って、浩は夕紀さんの前に来て「夕紀さん結婚しよう」そう言って、指輪を指にはめた。

夕紀はもう、何も言えず目に涙を浮かべ「うん」と頷いた。

そして、小さな声で「よろしくお願いします」と頭を下げた。

それを見てみんなからたくさんの拍手をもらい、

佳子さんから「よかったね。幸せになってね」そう言われて、また夕紀は嬉し涙を流した。


その後、4カ月後に二人は結婚をした。


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一夏涼風 海翔 @ukon9

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